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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「うごおーー」


 僕は教室でそんな事を言いながら机に突っ伏す。実際肉体的疲労ってない筈なんだけど……ぼくはかなり疲れてた。


「よっスオウ。ローレの奴にしごかれてるんだって?」

「秋徒……なんか気持ち悪いぞ」

「朝一番に傷つくこというな」


 いや、なんかめっちゃニコニコなんだもん。そりゃ言うでしょ。こっちがダウナーな時に、めっちゃ幸せそうな奴を見ると思わず嫌味の一つや二つ出ちゃうって物だ。何かあったのだろうか? まあ大体愛さんがらみだと思うんだけど……


「何があったんだ? とか聞いて欲しそうだから聞かない」

「おい! ちょっとは俺にも興味持てよお前」


 煩い奴だ。こっちはローレのせいで三時間くらいしか寝てないんだぞ。僕から貴重な睡眠時間を奪うな。そもそも今さら秋徒に興味持つとかなかなかに冗談きつい。


「全く、今の僕の大変さをわかってるなら、変に絡んでくるなよ。しょうもない事だったらぶん殴るぞ」

「お前、俺にだけ辛辣過ぎない?」


 そんな事はないだろう。正当な権利だと思う。それに今の期間はあんまり学校で話すっ事自体をしたくないというかね。僕は机に突っ伏したまま、自然に教室を見回す。既に教室には生徒がいっぱいいる。皆それぞれ仲の良い友達共に朝のお喋りに興じてる――ように見えるが、実はこいつら僕たちの会話に耳を傾けてる。


 それは何故かって? 実はどっかの誰かが口を滑らせたのか、テア・レス・テレスと家の生徒会の関係がバレたみたいだ。いや、公には認めてなんかない。今までも別段、生徒会は生徒会ぐるみでLROやってるなんてわざわざいってなかったしね。


 けど一度出た噂という物はなかなかに引っ込まない物だ。そもそもこの時代、噂の広まり方も昔よりも確実に速い。そもそも信ぴょう性なんて物はあんまり関係ないんだよな。

 皆面白いネタを口開けて待ってるんだ。そこに投下された今回の餌が今話題のLROに実は生徒会が参加してて、そのチームがテア・レス・テレスというトップチーム。そこに今バトル挑んで無謀な事をしてるバカが僕である。しかも僕が会長を倒した映像って奴は普通に配信されてる。最初のテア・レス・テレスとのバトルも二回目の時の奴もその戦いの一部始終がライブ配信もされたが、その映像はいつでもだれでも最初から最後まで色々なアングルで確認できる様になってるんだ。


 なにせLROだからね。いつカメラを仕込んだ……とか実際ない。運営側はどこだっていつだって見放題なんだろう。その内、なんかプライバシーがなんだと問題が起こりそうな気もするが、VRはまだまだ出始めてる期間だからそこまで色々と整ってないんだ。


 そこで僕と会長の戦いは簡単にみられる。僕は顔一緒だし、直ぐにわかるだろう。そしてテア・レス・テレスがここの生徒会という噂。そして会長と言う名。結びつけるのは簡単だ。


 てなわけで、今僕は非常に学校に居づらい。いや、前々から居やすかったと言われると微妙だが、前よりも今の期間酷くなってるのは感じる。皆点数を稼ぎたいらしいのか、ただ単に日鞠の奴の役に立ちたいだけなのか、僕の情報を生徒会に売ってるみたいなんだよな。

 だから何もせずに眠っときたい。それが一番なんだよね。別にLROの事を話す必要なんてないんだが、ほら僕って薄い人間じゃん? 自分で言ってて悲しくなるが、一番時間割いてるのってLROな訳で、その話以外話せる異なってね……


 だから自然とLROの話になるしかないから、寝てるのが一番なんだ。なのにこいつときたら……秋徒だってわかってる筈だろうに。そんなに僕に言いたい事があるのか? この際だからこいつに彼女が出来たとバラすか? 秋徒の奴も女子受けいいし、混乱が起きるかも……いや、こいつ案外交友関係広いし、顔によく出てるから彼女が出来たなんて噂は既にあるかも……クラスの情報すら碌に持ってない僕。


 たってしょうがない。秋徒や摂理以外に話す奴いないし、そいつらとも別に教室の話題なんて話さないし……鈴鹿? あれは僕と同じボッチだから情報なんて持ってない。そもそも僕が話しかけると嫌な顔するし……うん、やっぱり学校では寝てるのが一番だな。


 そう結論付けて僕は秋徒を無視して寝る事に決めた。まあ直ぐに授業始まるんだけどね。

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