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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「アクアマリンは戦闘できる奴らが少ないだろう。どうやってそのアイテムを生かす気だ?」

「ゲコゲコゲコ、社長さんともあろう方が一側面から物事を見るのはどうかと思うぞよ? アレを使えば色々と不足気味のアイテムやら、更には切り札になるべきものを仕入れられるかもぞよ」


 おいちょっと待て、このギョクリという変な顔の人なんて言った? 仕入れるって……まさかこのナイフを市場にでも流す気か? やるなんて一言も言ってない気がするんだか? 案外いい人……とか挨拶だけで思ったが、ここにいるんだから絶対的に一癖や二癖あっておかしくないじゃん。


 そもそもが何故か最初見えなかったし、それで僕の反応見て楽しむ様な奴だぞ。よく考えなくても趣味悪い。


「言っとくけど、上げないわよ」


 きっぱりとそういうローレ。そこは言っとかないとね。


「切り札というが、それ以上に切り札になる物なんかあるのか?」


 男か女わからないその人がギョクリにそういうよ。確かにそれは気になる。やらんけどさ、一度は会長を倒して見せたこのナイフよりも切り札になる物なんかあるか? オリジンのせいでこのナイフにはどんな防御だって意味をなさないぞ。まあだからって攻撃力かあるかは微妙なんだけどね。


 あの時会長をこれで倒せたのは会長の防御があの時は紙になってたからだ。会長は反撃効果の反動で自身へのダメージ倍率が10倍くらいになってたと言ってた。そんな事暴露していいのかと思ったが、なんか意味深な表情してたから多分もっと効率よく出来る方法でも見つけたんだろう。


 元々会長のHPが高いとは思えないが、それでもこんなナイフの一撃で倒せるプレイヤーなんて存在しない。どんな防御も意味をなさないのは格別だが、このナイフの攻撃力自体は本当に謎。実際コードを斬れるから下手したら、HPではなくそのプレイヤーのデータを壊してるのかもしれない。


 壁に刺したら小さいがちょっとした範囲が崩れたし、波になしたら実はその部分が分解されたしな。だから効果が低い訳じゃない。けどそれを攻撃力と捉えるかどうかは微妙だ。言うなれば破壊力だろうか? 日鞠はなんともないと言ってたが、実際これで攻撃されたらデータを破壊されかねない。


 なるべくプレイヤーに使うのは実は控えた方がいいんじゃないかと僕とローレは結論づけてる。それにオルガトの奴もそれとなくそこら辺警告してたしな。だからこれを無暗に市場になんか流せないに他のプレイヤーの手に渡すのも持っての他。


 その筈なのに、わざわざこれを交渉材料にするとは……なにを考えてるんだローレのやつ。


「破格の性能のアイテムならいくらでもあるのですぞよ。それに面白い研究をしてるチームとも知り合いなのぞよ。そこの奴らにそれを渡せば、それ相応の物を提供してくれるぞよ」

「それが戦いの役に立つと? テア・レス・テレスは最終戦で手に入れた玉を使って戦いを有利に進めれるアイテムを得られるが、それに対抗出来るのか?」

「確証は出来んぞよ。だが、面白くはきっとなるぞよ」


 そういってゲコゲコゲコと笑うギョクリ。こいつは案外勝敗に執着してない様に見える。なんか商売人の様な? ここに集まってる大チームのリーダー達とはちょっと違う印象だ。今巷ではこのバトルが話題の中心だが、賭け事なんかも盛大に行われてる。


 まさかとは思うが、それをしかけてるのってこのギョクリのチームでは? かなりの規模で行われてるらしいし、そんな事は大チームかそれこそ運営くらいでしか出来ない。けど運営が公式に賭けなんてしないだろう。中継とかはしてるし、リアルも巻き込んで盛り上げようとしてるくらい。


 なら賭け事は……ギョクリ的にはこのままこっちが大惨敗では賭けが盛り上がらないって事情もあるよな……いやこいつらが本当にそれを先導してやってるかは分からないけど。


「賭けを盛り上げないとだもんね」

「それで勝ってくれれば言う事ないぞよ」


 確定した瞬間だった。

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