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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 ローレの提案は到底受け入れらる物ではないだろう。ではこいつは何を狙ってるのか。こいつは利益しか見てない奴だし、自分至上主義の独裁者だから正直この場の他の連中なんてどうなってもいいっておもってるだろう。こいつが狙うのは一番おいしい部分だ。


 なら理想としては、テア・レス・テレスにこいつらが勝ってその利益を根こそぎ奪うみたいな感じだろうか? けど流石にそれは厳しそうだよな。いくらローレが強いといっても流石にここの奴ら全員を一斉に相手にするのは厳しいだろうし、エリアバトルでないとエリア自体は奪えない。場外乱闘は意味をなさないのだ。


 それこそ同意でもないと……


「ふざけてるな。こんな奴を呼んでどういうつもりだ? こいつは我々を食う事しか考えてないぞ」


 そういって渋面ににらまれるのはおっさんだ。どうやら僕たちの事を最初にこいつらに提案したのはおっさんらしい。


「あらら、心外な事いうじゃない。私はちゃんとあなた達を勝たせようとしてるわよ? それを選択するかどうかはアンタ達次第だけどね。でもほら、ただって訳にはいかないし? 私にもメリットがないとね? それとも何? こんな小さな女の子にただで働けとか言う気? 鬼畜なのあんた達?」


 言いたい放題である。言ってる事は案外間違ってないからな……ほんとうに勝たせようとしてるかは分からないが、ここら辺の読み合いはトップの奴らの腹の探り合いだし、こういうのは騙される方が悪いんだろう。


「交渉の余地はあるんだろうな?」

「勿論。私は会話が出来る女よ」


 どうやら最初の無茶な要求は導入だったらしい。あれか、最初に無茶な要求を叩きつけておいて、本来の要求のハードルを下げるとかいう手法か。詐欺師かな? 


「ならまずどこまで貴様が我らに協力できるかを教えてもらおうか? 戦力は二人だけか?」

「あら不満? 有象無象なんて必要ないでしょ? なんたって私とスオウよ? 私は言わずもがなだろうし、スオウだって会長を打ち取ったただ一人のプレイヤーじゃない。あんた達喉から手が出る程欲しいんじゃない? 前の戦いでは影響なかったけど、それでも会長自身が戦場から離れるってのは大きい筈でしょ?」

「二度目があると?」

「なら他の奴にならその可能性があるとでも? あるでしょうけど、スオウよりは落ちるんじゃないかしら? 確かにどっちも絶対とは言えないけど、確率的に一回も倒したことない奴と、一度は倒せた奴。どっちが上なのかしら?」


 可愛らしく頭をコテッと傾けるローレの奴は、可愛い筈なのに煽ってる様にしかみえないから凄い。実際煽ってるんだろうけど。意訳すると「そんな当たり前の事もわかんないのあんた達?」とか言ってるんだろう。

 でも実際、僕が二度目なんてないと思ってるんだよね。あの時は色々と偶然もあったし、会長が防御が極端に落ちてた事も要因としてあった。あの後確認してみたが、やっぱり反撃効果の改悪により、会長にはそのしわ寄せが来てたらしい。


 だからこそ最後はナイフの一突きで会長のHPを削り切る事が出来た。まあオリジン付加のナイフだったのもあるかもだけど……


「まあそんなにスオウを信用できないのなら、これを提供してあげてもいいわよ?」


 そういってローレはインベントリ内から一つのアイテムを取り出す。


「それは!?」

「まさか!」

「そいつがあの会長をやった――」


 ローレがそれを出す同時にどうやら皆さん、それが何なのかわかったみたいだ。まあ普通じゃないしな。この場がわなわなしてる。その反応に思惑通りとローレはニヤリと笑った。ローレが取り出しのは僕が預けてたナイフだ。オリジンが付加されたナイフは何やら黒い靄みたいな物を常に放出してる禍々しい姿をしてる。

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