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「本当にどうにか出来るのか?」
それを言ったのはソファーに座ってるリーダー達からではなく、立ってる奴の中から出た。ここにいるのは今のLROの中心人物達といっても過言ではないから、ここにいる奴らが手をこまねいてるのに僕たちの様な弱小……いや、ローレのチームは弱小と呼ぶ程に弱くはないが、大手と比べればね……
とにかく、この立ってるあんまり特徴がない人はローレの事を疑ってるみたいだ。あの人は多分、あの渋面のチームの奴なんだろう。背筋を伸ばして、直立不動で控えてるからね。真面目さが見てわかる。思わずリーダーたちを差し置いてそんな事を言ったのも、ローレの奴の横柄な態度のせいだろう。
まあリーダーたちはローレの奴を知ってるから気に入らなくても、キレたりはしないようだが、下の奴らの方がそこら辺には敏感なようだ。まあ下の奴らは僕と違って上の奴を尊敬してる感じの奴ばっかりだからな。男色艦隊のイケメンもそうだし、こいつもあの渋面を尊敬してそうだ。
だからこそ、どこぞの小娘が偉そうにふんぞり返ってるが許せないんだろう。彼だってローレがここに呼ばれるだけの奴とはわかってるんだろうけど、それでも言わずにはいられなかったのかもしれない。
「君は、前に連れてた奴とは違うな?」
「家は完全実力主義なのでな」
「お前の所は会社だからな」
「組織とはそういう物だ」
渋面さんのチームは会社の様な所らしい。よくそれでここまでの上位のチームになってるよなって思った。だってLROには現実から逃げる為に……というと印象悪いが、現実を忘れる為に来てる人達は多いだろう。そのはずなのに、また会社の様な雰囲気のチームに入るんだ? って思う。
「貴方が私を信じれないのはわかる。けど勝手に思っててよ。私は別にどっちでもいいもん。どうせ決定権はアンタにないんだし」
「んな!」
雑魚は黙ってろといわんばかりのローレの物言い。そりゃあ、プルプルするよ。ここには他にも別チームの奴らがいるから何とか我慢してるが、後で襲撃されそうで怖いんだが? なんでローレの奴は無駄に敵を作ろうとするのか……すこしは友好的にしろよ。
「落ち着きなさい。こんな奴でもその力は本物だ。こんな奴でもな」
「おいおい」
鋭い視線をローレに向ける渋面。それにおっさんが仲裁するように声を出すが、それに男か女か分からない感じの奴も声を出す。
「そうだな。だが、全面的に下手に出る気はない。我々にはまだ手はある」
「それはそちら側だけではない」
「そうだろう? 結局、ローレにやって欲しいのは保険なんだ。真の奥の手の前でテア・レス・テレスを潰せるかもしれない一手になるならなおよし。そうでなくてもこちらにはまだ奥の手はある」
「お前らな……」
二人の言葉におっさんが渋い顔を作ってる。あの顔的に、男色艦隊にも奥の手とやらがあるんだろう。僕たちは別に最終手段ではないらしい。あの男女が言うように保険なのだろう。
「ふふ、ふふふふふふふ」
ローレの奴が何故か僕の胸に飛び込んできて肩を震わせてる。おいおいどういうつもりだよ。そしてあからさまに笑ってるのわかるようにしてるよな? 皆さんの厳しい視線が僕に降り注いでる。
「ねえ、スオウも愚かだと思うわよね? こいつらの事?」
潤んだ瞳でそういう声は、抑えてなんかなく、寧ろ張ってるくらいである。その涙は本物か? てか僕に振るな。どう言えって言うんだよ……僕はローレとこの場にいるプレイヤー達の間で針の筵にされている。