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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 日鞠の奴が戻ってから一週間がたった。まあ別段心配する必要もなく、日鞠の奴は元気にやってる。そういやあいつ、体も以上に頑丈だったと思いだした。風邪ひいた所なんてみたことない。まあだからこそ、今回の寝たきりを以上に心配したんだよな。


 普段元気な奴が病気になると病名以上に心配になるのはあるあるなんだ。けど流石に一週間も経つと再び日常は日常として戻ってきた感じがある。そして今は二度目の僕たち合同チームとテア・レス・テレスのエリアバトルが終わった所だ。


 結果かからいうと、今回は守れた玉は五つだった。盗られた玉は十五だ。最初のエリアバトルと合わせてこちらの玉は六で向こうは三十四……なんとういう圧倒的な差だろうか。ハッキリ言っておかしいと言わざるえない。今回は僕も参加してないし、ローレの奴も参戦してない。


 けど、僕たちが特別に強いって事はやっぱり無いと思うんだ。確かに突出した力はある。でも、それは僕たちだけじゃなく、この合同チームを立ち上げた上位のチームのメンバーだってある筈なんだ。事実、強い奴は本当につよそうだった。


 男色艦隊のおっさんとかまともにやったらスピードだけでゴリ押せるとは思えないし……いろいろとトリッキーなスキルの使い方をする人とかもいた。今回は前回の失敗も含めて相当作戦も練って挑んでたってローレから聞いた。


 なのに結果はこのざまである。既に敗戦濃厚と判断して、僕たちの様な個別に声をかけられたプレイヤー達はチームから抜け始めてる。大きなチームはプライドもあるし、この戦いを挑んだ側という事で辞める事もできないだろうが、便乗して乗っかってきたチームはどんどんと離脱していってる。


 それでもトップテンに入るチームが複数いる訳だから、最終日にも百人を捻出する事は出来るだろう。だから体裁を保つことは出来ると思うが……


「全く、情けないわね」


 そういうローレはさっさと帰ろうとしてる。そこに背が高いエルフが立ち塞がった。そして何故か僕をにらみつけた後にローレに頭をさげる。


「すまないが、少し時間を頂けないだろうか?」

「私の時間は高いわよ?」

「わかっている。だが、我等もこのまま恥をさらすだけではいられないのだ」


 その言葉から察するに、多分彼は大手チームの一員なんだろう。確かにこのまま最終日もボロ負けしたら、恥さらしもいい所だよな。僕ならもう同じキャラでLROを歩けないよ。いいよねこいつらは……だってキャラを作り直せばいいだけなんだから。


 僕なんてこの姿以外受け入れられないんだぞ。まあけど恥じすぎてチームから脱退者が続出して、チームが崩壊とかになると、色々と大変な事になりそうではある。今はある程度上位は順位も固まってきてるからな。この戦いが切っ掛けで、再び上位の戦いが再燃するかも。


 まてよ、ある意味それは運営的には美味しいんでは? だって常に大きく波打つ方がゲームとしては楽しいし……日鞠の奴、自分たちは一位という高みで、下界の状況を混乱させようとしてるんじゃ……無駄に圧倒的に勝利してる気がするし。


 あいつは優しい奴だ。それに配慮も出来るし、わすれない。なのに今の状況はどうだ? こっちがわボロッボロだよ? ここまで徹底的なやり方は日鞠らしくない。リアルに戻る以外の目的があいつにはあるのかもしれない。


「じゃあ行くわよスオウ」

「は?」

「いや、そいつは呼んではない」


 僕が嫌だという前にエルフの人からそういわれた。なんかめっちゃ嫌われてるみたいだが、付き合う気もないから文句は言うまい。


「ダメよ。こいつは私の手足なんだから、それにお願いしてきたのはそっちでしょ? 私の行動に口を出さないで」


 それはまさに一蹴だった。そういわれたエルフの人はきつく僕を睨むだけで背中を向けて歩き出す。いや、なんで僕を睨むの? そこおかしくね? けどさも当然の様にローレの奴が歩き出すから僕もついてくしかなくなった。いや、ここでこそっと帰るのも手だが、後から何言われるか分かったものじゃないからね。

 

 生憎とローレは僕が入ってるチームのリーダーなんだ。まあチームという垣根でこいつと付き合ってるわけじゃないけど……とりあえず大人しく僕もついてくよ。

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