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「うっわ……」
二時限目の休み時間、僕は何となく生徒会室に行くと、そこは戦場だった。いや、何を言ってるのかわからないと思うけど、まさしくそこは戦場だったんだ。わざわざ休み時間に集まって生徒会役員共がせわしなく動いてる。
いや、わかってたけどね。一週間、日鞠がいなかったんだ。溜まってる仕事もあるだろうって思ってた。なにせあいつ独自に色々とやってる。だからあいつ自身が決定して判を押さないといけない物が他の学校の生徒会とは比べられないくらいあるだろう。
だからこうやってちょっとは手伝おう……とはあんまり思ってなかったけど、見てみてやっぱり僕は余計な事をしない方がいいなって改めて思った。いや、日鞠が来てからやけに生徒会の奴らが動きまくってるって思ってたんだ。だから忙しいんだろうって思ったんだけど、
「あいつら生き生きしすぎだろ」
週末明けの月曜日とは正直思えない。だって月曜日だよ? 折角の休みが終わって怠ーくなってる物じゃん。まるで奴らは水を得た魚だ。絶対に社畜に向いてるな。
「まあ僕の出番なんてないだろう」
という訳でさっさと退散した。今日は各教室にも日鞠は回ってる。そして休み時間はこうやって生徒会の事やってて、どうやら教師達の方にも行ってるみたいだから、実質日鞠には休んでる時間なんてないな。けど流石に一日中それでは心配だ。
無理矢理にでも昼休みは休ませた方がいいだろう。生徒会の奴らは日鞠信者だから日鞠には強く言えないだろうし、他の奴らを働かせて自分が休むなんて事を日鞠は自分からはしない奴だ。だからここは強くいって無理矢理にでも休ませることができる奴が必要。つまりは僕だね。
だからその時まで僕は待っておこう。ちゃんと僕は僕の仕事をする為にその時まで出番を待っとくんだ。決してさぼってる訳じゃない。本当だよ。あいつらみたいに働きたくない訳じゃないからね。
「どうだった?」
そう廊下の先で壁に寄りかかってる秋徒の奴に言われた。
「別に、いつも通り、いやいつも以上だった。全くよくやるよ」
「まあ日鞠にとっては一週間、お前と目いっぱい遊べた様な物だしな。逆にリフレッシュ出来たんじゃないか?」
にやにやとしながらそういう秋徒の奴。こんな事は慣れてるから別段反応はしない。ただ淡々と思ってる事を言うだけだ。
「けど、寝たきりだったのは確かだし――」
「心配か。まあそうだよな。まあ事情を知ってるのは俺たちくらいだし、他の奴らは久々の日鞠で興奮してる奴らばっかりだからな」
「生徒会の奴らは知ってるだろ」
「そうだが、わかるだろ。あいつらも心配してない訳ない。てか、無理にでも働いてお前が来るのを待ってるじゃないか日鞠の奴」
「……ありえる」
僕は秋徒の奴の推測にため息を吐く。全くあいつ……けどいくしかないんだからほんと掌の上で踊ってるよ。まあでもこれが日常か……ともおもう。これが僕の日常だ。