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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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ギリ――


 歯を食いしばって僕は更に無理をする。風帝武装に更に風を込める。余剰な力……それを込める事で威力が単純に あがるかっていうとそうじゃない。余剰な力は危険な物だ。システムは絶対。まあLROは天才が作った余裕のある作りしてる。


 だから余剰分を力へと上乗せする事は出来る。けどそれはとても大きなリスクがある。そもそも普通は意識的に出来ることじゃない。スキルは決まった力が出る様な行動みたいなものだ。スキルという現象だ。スキルを思えば自然と出てくるし、それは心にも影響してるから、プレイヤーは知れずに多少のスキルの威力の上下をしてる物だ。


 LROは心を汲むゲームだ。それを実際に意識してる奴らは多分少ないだろうが、僕はよくわかってる。だからこそ、何となくで放つスキルはやっぱり気合が入った時よりも軽かったりする。気づくレベルじゃないだろうが、或るんだ。


 そしてその心で上乗せられる力よりも僕は更に上を行かせる。心だけじゃなく、コードを駆使すれは出来る事だ。


『ダメ……これ以上は壊れるよ!』


 風の精がそう忠告してくる。風の精だけに限界は誰よりも承知してるんだろう。けどそんなのはわかってる。これ以上はダメだって、僕でもわかるくらいに上乗せしてるんだから。風の鎧が重く感じてきてる。こんな事は初めてだ。


 それでも繋げないと、一気にこの密度の濃い風たちがほどけて僕に牙を向くだろう。それがリスクだ。スキルが牙を向く事になる。それはスキルが強力なら強力な程に強い力になって返ってくるのは当然。風帝武装なら、僕のHPを削り切る事が可能だろう。

 ここまで来て自爆……それはとんだ笑い草だ。それに日鞠も連れ帰れない。


(そんな事、許せる訳がない!!)


 だからシステムを弄って強引に上乗せして暴れだそうとしてる風を気持ちで抑える。結局は心だ。システムはマザーは心をよく組んでくれてると知ってる。けどそれにも限界はある。


 空気が弾けた。そしてパラパラと会長を輝かす様に砕けた氷が光を反射してる。一瞬の影を残して僕は再び空気を蹴る。次々にパラパラと飛び散る欠片がふえる。これは盾だったものだ。今までは砕けなかった。けど、今は砕けてる。


 止まらない、止まれない。自分の行動が筒抜けでも構わない。筒抜けなら、想定以上の速さで……想定以上の威力をぶつける。


(次! まだ! 届くまで!! あいつに!!)


 一体いくつの氷を壊したか。紙から発生する妨害なんて最早意味ない速度だ。絶対に届かせる。どんどんと風が乱れていくのがわかる。


「凄いねスオウ。けどこっちも完成したよ」


 それは残酷な言葉。会長の周りには金色の文字が躍ってた。

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