表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1111/2707

1111

 今会長を守ってる透明なシヴァの氷は全域を覆ってる訳じゃない。隙間が確実にある。でもこっちの攻撃を正確に防いでくるのは何だ? 僕の攻撃は相当早い。それにかなり動き回ってる。それこそ左右上下全てを縦横無尽に動けるのが風帝武装のいい所。

 僕はその場の思い付きで色々と動いて攻撃を繰り出してる。今、僕は息を吸う吐く……つまりは呼吸の動作をしてない。LROはリアルをとてもよく再現してる。だから呼吸を止めれば苦しくなるし、息が出来ない状況では最終的には死が訪れる。


 けどそれは形だけだ。リアルを再現してるだけ。だからシステムに干渉できるコードを使えれば、呼吸という行為を省く事が出来る。普段からそれをやると違和感があるんだけど、こういう極限の場面なら気にならなくなる。けどやっぱり不都合があるのか、少しずつ苦しはなる。けどその時間はただ呼吸を止めるよりはずっと長くいれる。


 呼吸を止めるんじゃなく、なくしてるからな。呼吸をしてないから息切れなんてことはない。更に更に早く――その想いに限りなく体がついてくる。


(でもそれでも届いてない。会長の奴……)


 僕は自分の意思で攻撃をしてる。それは間違いない。けど、僅かに誘導されてる。そうとしか思えない。それか完璧に僕の考えをトレースされてるか。どこに振っても氷に阻まれる。シヴァの氷だから薄い割にはとても強固で更に会長は何かスキルを組み込んでる。


(ううーん風に混じりを感じる……よ)


 混じり? 風の精がそんな事を言ってくる。完璧に支配してる風に混じりなんてあるわけない。僕の力だけが通ってる筈だ。事実風自体には何も違和感はない。けど気になる……この状況で悪戯でそんな事は言わないだろう。

僕は振り続けるフラングランに視線を向ける。


 ずっと会長を注視してたが、一瞬くらいならとフラングランを見た。それでも僕の目はちゃんと必要な物を捉えてくれる。


「そういう事か!」


 確かに風の精が言うように異物はあった。風にじゃないが、纏うフラングランにそれが仕込まれてた。多分、さっき風をゼロ距離でかました時だろう。一時的にでも会長がフラングラン触ったんだ。これを想像しないといけなかった。


 普通に風が発動したし、ペンだってフラングランを持つことで収めてた。だから無理だと思ってたが、

アイツには不可能なんてもの、殆どない。コードを取り除こうとしたが、どうやらここに仕込んだのはそんな簡単な物じゃないみたいだ。振り払えない。


 このコードが何してるのか、僕にはわからない。けど、悉くシヴァの氷に防がれる事を見るに、風を通して会長に何か伝えてるんだと思う。風が……僕の最大の武器の風が防がれた。目の前にいる筈の会長の姿が、一気に遠くになった様に感じてしまう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ