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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 全てを書き換える――会長はそういった。僕は目を凝らして攻撃を受け止めた部分を見る。すると確かに色が違うコードがあった。わざわざ偽装してるのは、きっと僕の目がいいからだろう。僕と会長がコードを書くと、それぞれ色が変わる。別にそれで影響がでる訳じゃない。効果は同じだ。


 ただ使ってるインクが違う様な違いだ。僕が書くと大体風と同じ色に見える。つまりは黄緑色みたいな色だ。会長の色は黄色……というか金に近い色を出してる。なんかこの時点で差を感じる。なんでゴールドなの? 確かに才能あふれた会長には金色が良く似合う気はする。


 成金の様なイメージではなく、その輝きや、ゴールドの価値的にね。色が違うからぱっと見でもわかりやすく、何か手を加えてるのなら、直ぐにわかる。確かに僕は目がいいし、これが見えてたら防がなかったかもしれない。それを回避する為に、コード自体に何か細工をしてるみたい。


 コード自体を見づらくするとか出来るんだな……いま、はじめて知った。きっと僕と会長で求めた物が違うから、限られた時間で祝福を検証した中でもズレがあるんだろう。会長は祝福の中でも、コードを積極的に使う事に重点を置いてる。


 会長的にはそれか相性いいし、武器だって攻撃に使うよりもそっちが向いてるペンだからな。あいつがする全てはコードの改変が行われてると思ったほうがいい。


 それに対して僕はコードの事も勿論勉強したが、祝福の力自体の活用方法を見出す方に力入れてたからね。それにどうコードを利用するかとかの方向性だ。風帝武装がポンポンと出せる様になったのはその最適化のおかげだ。大体ゲームの仕様上、スキルとかは誰もが使える様になってる筈だ。勿論、条件をクリアしてれば……って前提はあるが、その人だけの特別な、完全に一から作った様なのは不可能だろう。


 バランスを崩しの武器たちはたった一人の使用者を選ぶ仕様だったが、あれだって選ばれてる間はその人にしか使えないが、選ばれし者が変われば、使用者は変わるだろう。そんな自分だけの武器やらスキルやらを完全専用の物なんて物は、作った人に頼むくらいしかない。


 まあLROはとても自由だから、無数のスキルを組み合わせて自分だけのオリジナルの技を使う奴らは沢山いるが、それはルールの中の使用だ。別にコード自体を弄ってるわけじゃなく、それはスキルの幅を利用してるに他ならない。


 けど、コードを操れる僕と会長は違う。僕たちはコードを書き換え、スキルを改変する事が出来る。けどそれにはリスクが多い。元々完成されてる物を自分の都合よくいじるんだから当然だ。だからそれよりももっと手軽で効果的な方法を僕はローレと共に模索した。


 それが最適化だ。これならそこまでリスク無く、けど確実に効果的な効果が得られる。僕に最適化した風帝武装は既にアウラの上を行ってる。でも2.0とかまで行くメジャーアップデートかと言われるとそこまでは出来てないと思う。


 だから精々風帝武装アウラ1.5くらいだ。けどそれでも、これまでの風帝武装とはつながりが違う。


「舐めるなよ会長!」


 僕は風が止んだフラングランを振って、会長が仕込んだコードを振り払う様な仕草をする。普通なら、そんな事でコードがはがれるなんて事はない。けど……


「本当に祝福されてるねスオウ」

「お前も十分されてるだろ」


 その世界からの祝福を少しは分けてほしいくらいだ。フラングランには再び風が戻ってる。気をつけよう。いつまでも会長がこのままを許す訳はない。だってあいつは常にコードを書いてるんだ。それはどんどんとコードを改良出来ていくって事だろう。


 あいつは一秒前のあいつとは違う。そういう奴だ。

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