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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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(やっぱり反撃効果は来ない)


 僕は自分が生きてる事を確かめる。もしも他のテア・レス・テレスのメンバーと同じ反撃効果を会長も持ってたのなら、今この瞬間に僕の体力は0になったはずだ。反撃効果からはどんな手段でも逃れるすべはない。それこそ一回死んで瞬時に復活できるアイテムでもない限りは……だ。


 今の僕にはそんなアイテム無いから結構一か八かだったが、僕の感覚はあってたようだ。やっぱり付き合い長いから、感覚に任せられる部分がある。他の奴が相手なら、即死の反撃効果がある相手にこんな大胆に攻撃はできない。ある意味会長だったらかってのがある。

 負ける訳にはいかない。けど、生半可な物じゃこいつを倒せるわけがない。だからやっぱり直接攻撃する必要は絶対にあった。


 それに今の攻撃は風帝武装を効果的に使った攻撃だ。風の消費も少ない。勿論、この後の為に残り三つの風の塊の一つはかなり萎んでる。でもここで畳むつもりなら、もう一つの塊も使うべきかもしれない。確実に入った攻撃だが、僕はこれでやれたなんて思っちゃいない。だって会長だって僕と同じ、色んな事を想定してる。いや、僕以上に頭がいいあいつだ。 


 だから自分が攻撃を受けた時の対処法だって当然あるだろう。その証拠がさっきの言葉。想定してないんなら、もっと驚く。けど予め予想してたからこそ、会話する余裕があるんだ。


「これで終わりじゃないんだろう?」

「勿論。スオウだってそんな事思ってないでしょ?」

「当然だ!」


 僕が切った筈の会長の姿が消える。一体いつから分身なのか残像なのか知らない物に入れ替わってたのか知らないが、この空間には僕の風が張り巡らせてある。逃げる事なんて出来ない。反応がある所に仕込んで風を送りこむとそこに風の渦が出来る。それは包んだ者を切り刻む風の刃だ。


 次々とそれがこの空間に出来ていく。それはつまり、攻撃を受ける度に何らかの移動手段で会長が移動してるっ事だろう。もしも分身の類なら一つを作りより複数作り出して僕を惑わす方が効果的だ。それをしないのなら、やっぱり本体は一つで、何らかの趙速の移動をしてるっ事になる。


(いや、この速度、空間系か?)


 揺らぎがない。それに僕程に早く会長が移動できるとも思えない。なら空間移動とかそういう系統が考えられる。でもこれも引っかかる。だってそれが出来るなら、僕を巻き込む事なんて容易い。効果が薄いと思ってやらないだけなのかもしれないが、あいつが見通してる先は、僕には見えない様な彼方だ。


 だから、常に考えないとどこで足を掬われるか……


「つっ!」


 僕はその場から飛んだ。なぜなら、僕の風が攻撃してきたからだ。支配してた風が僕の制御を離れて襲ってくる。そして徐々にその数は多くなってく。


(速い!)


 流石は自分の攻撃……と言いたいところだが、そんな余裕ない。僕はフラングランで風を受け止める。その瞬間だ。フラングランがどっと重くなったように感じた。


「なんだ?」


 僕は風の刃を避けながらフラングランを見る。すると何やらコードがまとわりついてる?


「スオウ、私の勝利条件を教えてあげよっか?」

 

 気配を感じさせず、僅かに半透明な半身を晒して会長が言う。


「私はスオウの力を書き換える。それで勝てるんだよ。私から放たれる全て、それがこもってるって思ってね」


 

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