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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「どうしたのかなスオウ? 攻撃しないと私には勝てないよ。地味に空気を私の周囲から取ってるみたいだけど、そんなのはここはリアルじゃないって言ってあげる」

「このチート野郎が……」


 僕はそんな事を呟いて舌打ちする。会長の奴は逐一ペンを動かし、様々な攻撃をしてくる。それは火だったり、水だったり、雷だったり氷だったり様々だ。ハッキリ言ってひどい。まあ向こうは書く事が前提にあるし、詠唱が絶対に必要な魔法使い達と比べてどうなのか? というのは微妙だが、会長は常に紙も持ってた筈だ。それにある程度のコードはコピペできる。


 その気になれば、連発出来たり、紙に事前に書いた強力な魔法を使ったりできる筈。


(いや、でもMPは?)


 後衛の人達はそこら辺を補うようなスキルや装備をしてるから沢山魔法が使える。よくよく考えたら、会長のスキル構成ってどうなってるんだろうか? 謎だ。熟練のプレイヤーになると、相手の装備してる物からスキル構成を予想したりも出来るようだが、こういう同じ服を着てるチームだとどうするんだろうか? 


 LROは装備や武器のスキルを極めれば、そのスキルが内に宿るシステムだ。だからどんどんと自分の中にスキルを蓄えていき、それらの無限の組み合わせを楽しむゲームでもある。欲しいスキルがあるから、その装備を着て、武器を持つ……うーん見た目から想像するのってかなり難問では? と思う。


 まあ今は関係ないか。そもそもが僕も会長もそんなシステムあんまり活用してないし。会長がそうなのかは実際知らないが、そうじゃないかと思ってる。あいつはそんなスキルをもってない。


(下手したら僕より……)


 その可能性が高いと思ってる。なにせなんでもあのペンで出来る。祝福を手にして、その幅は更に広がってる。会長が使ったスキルなんて一つくらいしかしらない。スキル事態をそこまで気にする必要はないと思う。多分あのペンの物しかないくらいだ。


 会長で警戒するべきはやっぱりあのペンだ。だからこそ、僕の狙いはあのペンだ。あのペンを会長の手から引き離せれば、勝利が近づく。まあ地味に会長を狙って空気も奪ってたけどね。だって僕の操るのは風だ。この空間の空気全てを支配すれば、そのくらい出来ないかなっ考えたんだ。空気は目に見える物じゃない。


 だから気づかれずにやれると思ってね。けど結果は失敗だ。僕たちは息をしてる。けど、本当にこのLROに空気がある訳じゃない。知らないが。もっといえば、リアルを再現してるにすぎない。だから会長の奴は多分その再現をごまかしたんだろう。


 こんなの出来るのはコードに干渉できる祝福持ちしかいない。ほんと祝福って厄介だ。会長と相性が良すぎる。実際には空気を全てを会長の周りから取り除く事は出来てなかったが、薄くはなってた筈だ。気づかないうちに苦しくなるくらいの効果はあったのに……まあ機体はしてなかった。


 それにさっきからちょくちょくやってて、気づいた事がある。もしかしたら……だけど。これは僕にとってはとてつもない朗報になる。それは……


(もしかしたら会長には反撃効果がないのかも)


 って事だ。確かに僕は攻撃による副次効果を狙って攻撃してた。だってここまでの戦いでテア・レス・テレスの奴らには反撃効果が掛かってたから、直接攻撃するのは危険だからだ。普通なら、テア・レス・テレスのトップの会長にこそ反撃効果は必要で必須だろう。


 けどあの反撃効果はおかしい性能だった。それをどうやって実現したのか……まちがいなく祝福だろう。そしてそれを実現できるのは会長のみ。メリットがあればデメリットがある。でもそのデメリットが見えなかったが……もしかしたら……


 会長は僕の動きを注視してる。それは当たり前だけど、やけにフラングランに気を張ってる気がする。ちょっとだけ、本当にちょっとだけだけど、僕が近づくと副次効果を狙ってるとわかってる筈なのに、身構えてる。それは僕だから気づくことなのかもしれない。


 いつもは余裕がたっぷりある奴だ。顔には勿論出さない。けど、なんとなくだけど、僕にはわかる。その違和感が、もしかしたらを考えさせる。


(誘いなのかもしれないけど……)


 会長ならそれがあり得るから怖いが、副次効果で倒せる相手でもない。それに、もしかしたら一撃で行ける可能性があるかもしれない。それに僕の勘がいけるといってる。ここは押すべきだと。だから僕は早くに勝負に出る事にした。

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