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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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(このままでいいのか? ここで戦っててそれで……)


 勿論、皆をほったらかしになんて出来ない。せめて玉は安全でなければ、どこに行ったって不安は消えない。もしも今、ここを捨てるという事は、玉を捨てるという事に他ならない。既にいくつもの玉が奪われた状態で一つ捨てるとなると、会長の思惑通りの様な気もする。あいつは全部の玉を狙ってるらしいからな。


「あいつを倒せば、会長が褒めてくださるよな!!」


 そんな言葉の次の瞬間、加勢に来た奴の白い鎌があった。


「なっ!?」


 僕はその鎌をフラングランで斬り返す。けどおかしい、玉の周りは結界が張ってある。防御陣を構築してるんだから、そのくらいの対策は当然だ。なんとか今まであの岩の攻撃でも持ってたのも、後衛の人達がつ常に強化してるからだ。なのに……だ。


 今、あの鎌は結界を抵抗なく通過しやがった。障壁よりも結界は強固だ。条件が厳しい代わりに、そうなってる。そんな結界を抵抗もなくすり抜けるなんて……僕は見る。


「待てよ、あいつ鎌は――もう一本!!」


 死角から別のプレイヤー、後衛を狙ってたその鎌を弾く。あいつ、ただの戦闘狂じゃないな。僕に狙いをさだめた様な発言をしておいて、強かにこの結界を維持してる後衛を狙ってた。更に二本ある武器を二段構えにしてだ。あいつはあんな興奮してる様に見えて、実は恐ろしく冷静にこちらを見てる。


「何故だ? なんで攻撃が来る!?」


 奴の鎌は手元に戻らずに回転しながら、何度もこっちを襲ってくる。けど不意打ちじゃなけれは、僕じゃなくてもあの鎌自体は防げる。問題はあの鎌が結界を無視してる事だ。


「つっ!」


 はげしい音と光に皆が耳を抑えた。加勢に来た他のテア・レス・テレスの奴らも動き出してる。どうやら魔法を放ってきたみたいだ。更に元からいる奴らも再び岩を出してる。これだけの数の敵から一斉に攻撃されたら、流石に結界が持たない。けどどうやら岩は前みたいに複雑な動きをさせる気はないみたいだ。紙を出してはない。出してないだけなのか、打ち止めなのかはわからないけど……利用されたのを警戒してるのかも。


「単純な力のゴリ押しだぁ! 止められるかああああ!?」


 一番厄介な事を! 白髪バンダナ野郎の声に僕はそう思う。単純な物量で攻めてくるなんて面倒この上ない。向こうは全員で一斉に攻撃をする気だ。出した岩がその場で回転して勢いをためてる。そして魔法にスキルの光……これだけの攻撃じゃ、確実に結界は壊れる。結界が壊れれば、守るのは難しい。ここは地形的に守るのに有利とかでもない。普通に開けてる。岩の柱が所々にあったんだが、前の岩の攻撃で玉の周辺は均されてた。


 白髪バンダナ野郎の鎌も戻ってく。どうするどうすればいい? 加勢に来た奴らに反撃効果はあるのか? ないなんて考えるのはバカのすることだ。全員が持ってると思うべき。なら……どうする? どうしたらこの場面を乗り越えられる? 

 僕は開始される攻撃の僅かな暇の間に最大限に脳細胞を働かせる。きっとどこかにやりようがあると信じてだ。

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