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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 岩にもコードがある。いや、この世界を作ってるコードなんだから、どんな物にだってコードがあるのは当たり前だ。けどそうじゃない。やはりというか何とか言うか、あの岩も会長の手が入ってるって事だ。てか……会長はこの短い時間でどれだけのアイテムとか何やらを改造してるんだ? 


 僕なんて殆どそんな事してないぞ。なにせまだ早いと思ってるからだ。下手にアイテムとかのコードを弄ると壊れたりする。最悪、そのアイテムは失われる。それにやっぱりかだけど、下手に効果を高める改造は失敗しやすいし、どうやら回復系のアイテムの回復率アップとかは出来そうになかった。


 多分ズルだからかな? 同じアイテムで効果が違うとなると、なんか後ろめたいしね。確かに会長がしてるみたいな、威力アップはそれなりにしやすくはあった。けど色々と変わるんだよね。射程とか、効果とか、色んな物が歪になる。

 けどその時、反撃攻撃については検証してなかった。反撃攻撃は一瞬だ。そして確実に敵対者に届く。効果の時間も一瞬なら、威力を高めても歪にはなりえない? いや、そんな訳はない筈だ。何かデメリットが出てる筈。メリットだけがあるなんて事はきっとない。


 けど今は岩だ。岩に追加されたコードは軌道上を巡る物だ。とても簡単。予め定めたルートに沿ってるのか? それとも、現場で何やらしてるのか……コードを見てもそこまで複雑じゃない。これは多分――


「あの岩を転がる軌道上に何かある筈です! それを壊せば、あんな動き出来なくなる!」

「だが……何かってなんだ? 見たところ、何もないぞ!!」


 確かに、けど簡単に違和感を持つような物ではない筈だ。あの岩に複雑なコードがない以上、あの岩のルートを制限する何かがある筈。


(待てよ……たしかにさっき奴らに当てようとしたとき、急に進路を変えたよな?)


 僕はそれを思い出して奴らの周囲をみる。そして見つけた。


「あれか!!」


 それはゴミに見える様な千切られた紙屑だ。確かにあれなら岩に潰されたって大丈夫だろう。


「貰うぞ」


 僕は一瞬でテア・レス・テレスの奴らの足元のそれを拾い上げて元の場所に戻った。風で運んでもよかったが、さすがに一瞬では無理だしね。なにかやってくるかも、とか思ったが、奴らは余裕ぶってるから対応なんてしなかった。そもそもが回収もせずに下に置いたままにしてるとは不用心だろう。


 まあこんなのゴミにしかみえないし、実際コードが見える僕じゃなかったら、気づきようがなかった。だからもしもまた岩を向けられた時の保険だったのかもしれない。でもおかげで物を手に入れられた。僕は手の中の紙を握り絞め、コードを理解する。


 そして自分自身の目に、今のコードを浮かべて見ると……無数の中から、そのコードが光って見える。これも検証の時に気づいた僕の目の機能? の様な物だ。もしかしたら会長も出来るのかもしれないが、わからない。なにせ世界はコードで溢れてる。だから目的のコードを見つけると色が変わったりするなとは思ってた。


 それをこうやってサーチに使った。ある……八つだ。


「軌道を制御をしてる物を壊します。皆で今度こそ奴らに一泡吹かせてやりましょう!」

「よし! やってやるぜ!!」


 仲間の彼は他の皆に今の事を伝えにいった。さて、問題はタイミングで、やり方だな。皆疲弊してる。避けるだけなら、ここまで疲弊なんてしなかっただろうけど、玉に至る防壁を守ってるから、あの質量の塊に向かっていかないといけないから仕方ない。


 けど仕掛けの一つはわかった、これで少しは楽になる。でも更に先も考えないと、状況は改善しない。皆の視線が僕に向かってる。この視線は裏切れない。僕の周りに風が集まってくる。これが反撃の狼煙に……そんな想いで僕は動く。

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