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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕はとりあえず守りの方に向かった。けどそれはさっきまでと状況が変わらない事を意味してる。けど、テア・レス・テレスの奴らを前に手をこまねいてるよりは、防衛の方に回った方がいくらか……ちょっとだけ……ミリ単位ではいいはずだ。

 いい訳だが……だってしょうがないじゃん! あの反撃効果をどうにかする術が思い浮かばない。だって絶対に回避不可なんだ。どうにかするにはそれこそコードをどうにかするしか……でもコードにもいじり易いものとそうじゃない物がある。


 表層のコードはいじり易いが、奥のコード程複雑だし下手にいじってどんな影響がでるか分からないからやりたくはない。まあ反撃効果自体のコードはそこまで深くはない。けどやっぱりだけど色々と足されてるのがみえる。あれは会長の仕業にちがいない。


 一応岩を防いでる合間に、僕のこの異常な目を使って反撃効果のコードを探ってたのだ。打開策はないかって。けど……やっぱり難しい。あれを何とか出来るかどうかも微妙だし、そもそも装備されてる物をいじるとなると、最低限触れないとその権限をうばえない。

 かといって一瞬で出来る事じゃない。色々と頭の中でどうにかこうにか予めてコードを組んで、それを風で保持してぶつけるって案もある。僕のスピードならそれが出来る。けど自分の書いたコードと会長の組んだコードは何か見栄えが違う。技術の差がありありと見えるというか……僕は学んだものをとりあえず詰め込んで何とか思った効果を出すようにするくらいしか出来ないからなんかごちゃごちゃするし、時間もかかる。

 風と併用できないと戦闘中に使う事なんかできないだろう。


 なのに会長のコードはどうだろう。シンプルイズベストを体現してるのか、とても見やすい。それに工程も段違い。けど見やすいからってその全貌が簡単に把握できるのかと言われればそうじゃない。これは僕が未熟だからなのか、会長がそこは見せない様にしてるのかは分からないが、僕のコードが通用しそうにないのが問題だ。


「クッソ! このままじゃダメだ! お前が行かないんなら俺が行く!!」

「やめろ! 向こうには反撃効果のアイテムがあるんだぞ!!」

「そんなの覚悟しておけば耐えられるさ!!」


 そういってこっち側の奴が掛けていく。止めたいが、僕まで抜けると岩が拠点を蹂躙する事になる。突っ走った人はなかなかに強い人なんだ。なんか湾曲した剣を使って流れるような連撃を使う人だった。それでうまく岩の起動を反らしてた。


「食らえ!」


 青い光の筋が流れる。そして繰り出される躍るかのような攻撃。敵は反撃一つしなかった。けど……倒れたのは攻撃をしたその人だった。


「ぐあああああああああああああああああああああああ!!」


 一瞬にしてなくなるHP。その人は粒子となってきえていく。これで復活可能時間までこっちは一人少なくなってしまった。てか……やっぱり一撃かよ。あの人の攻撃がそれだけ強かったから? 確かに連撃を受けたテア・レス・テレスの奴のHPはそれなりに減ってる。けど半分くらいは残ってるぞ。それなのに攻撃をした方は一気に全部持ってかれた。


 普通の反撃効果ではありえないダメージ量だ。凶悪すぎるだろ。攻撃を受けた奴は回復魔法をかけてもらってHPを元に戻してる。


(ダメだ……クリティカルとかの一撃狙いだとしても、攻撃を入れた瞬間にこっちはやられる)


 前に追いつめられた時は高い攻撃力とクリティカルに頼って素早さで翻弄した。けど、今はその素早さは意味なんてなく、攻撃だって一撃で決めてもこっちも相打ち以上にはどうやったって出来ない。ヤバイな……ほんとうに打開策が見つからない。僕たちはテア・レス・テレスに力で負けるんじゃないのかもしれない。勝てないという事実を突きつけられて負けを認めるしかない状況まで追い詰められてる。

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