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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕はまた走ってる。ハッキリ言おうか……ちょっと僕の扱い荒くない? 遊撃とか言えばなんかかっこいいけどさ、様はつかいっぱしりなんだが? こっちの玉はテア・レス・テレスとは違ってほぼ全部が初期位置でこのエリアバトルの各地に散らばってる。


 これでも半分も盗られた訳だが、まだまだ多い。だって十の玉がある訳で、防衛だけを考えれば、百人を十人ずつ配置すれば一応バランスはとれるが、そんな事できる訳ない。だって既に男色艦隊のおっさんが部下を引き連れて出ていってる。更にはイケメンがもう一人のこの集団のリーダー格の奴とやり合っておっさんに増援を出した、その数は二十だ。おっさんが持って行った人数とその増援でなんとか玉を奪い、残りは全部防衛戦力にあててる。


 僕もその一人な訳で、テア・レス・テレスは自身の玉を密集させてから攻撃に転じたらしい。まあそれはそうだよな。だって守りが容易になったんだ。なら今度は攻撃に移る……それはあたりまえの事だ。しかもこちらの玉の位置はバレてる。


 今までは流石に全部じゃないだろうとか思ってたが、奴らの襲撃は迅速だった。しかも複数個所同時にだ。僕以外にも、遊撃部隊は編制してある。素早い奴やら、特殊な移動法を持ってる奴とかが、十人くらいだそうだけどね。


 でもやっぱり何かに特化してると、どこかで弱点がでる。僕だってスピードに振ってる分、防御なんて紙だしね。HPとかだってそんな高くない。それでもなんとかなってるのは武器とスキルが他に類を見ないからだ。僕のスキルはかなり特殊だという自覚はある。


 だから別に他の遊撃部隊に文句を言うつもりはないけどさ……さっきから通信でどいつもこいつも救援を求めないでほしい。僕の体は一つしかない。ついでに言うと、こちらの玉十か所、実は全て襲撃受けてる。流石に攻勢に転じすぎじゃないだろうか? 


 それにこの動き……それに数、どう考えても全戦力を投入してる筈だ。確かにテア・レス・テレスの玉は既に四か所くらいしかない。だからこそ、守りやすくて攻撃に傾ける余剰戦力があるのはわかる。けど……それでも今、テア・レス・テレスを攻めてるのはこちらの最大戦力の筈だ。


 これだけの数を同時襲撃してるのに、こっちの最大戦力の攻撃でもそこはまだ落ちてないって……


(そこまでの力の差がある?)


 けど僕は顔を振るう。流石にそんな滅茶苦茶差がある訳がないし、あっていいはずない。希望的観測かもしれないが……けどなにかきっとある。男色艦隊のおっさんならその何かを覆してくれる事を期待するしかないか。これだけ同時襲撃してるのなら、防衛戦力は最低限なのかもしれないし……まあだとしたら、おっさん何やってんだよって事になるけどね。

 相手が会長だからなんだって可能性があるのがな。


 僕は迫ってくる岩を切り飛ばす。テア・レス・テレスの奴ら、とても厄介な襲撃方法を使ってる。一気に十か所も攻めてるからどうしても戦力は分散せざる得ない。それを補うための策なんだろう。それがこの岩? を使った突進だ。

 具体的には何やら会長が用意したであろう紙をばらまいて、それに周囲の岩がくっつく。そしてそれが際限なく転がってくるんだ。岩の大きさは人なんて容易に潰せる大きさになってる。ハッキリ言って脅威だ。障壁もこれだけの質量の物が何度も何度もぶつかるとあっさりと破られる。そして人に当たるとダメージはかなりデカい。


 それに一人二人引いたくらいじゃ止まらないし、勝手に動いて何度も襲撃をかけて来やがる。会長の奴、ほんと凶悪な物を考えやがる。容赦がない。蹂躙したいのか。しかも厄介な事にこの岩、この場にいる敵プレイヤーを倒してもきっと止まらないって事だ。


「まあそれでも、供給は止められる……か」


 僕はここの玉を狙ってきたテア・レス・テレス数人の内の一人に狙いを定める。そして駆けた。なんとかしないといけない。そうしないと、このままじゃこっちは全ての玉を持ってかれる。

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