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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 何をやれば通る? 俺はそれを考える。そもそも何をしてこんな事が実現できてるのがわからない。物凄い耐性がある? でもそれではおかしい。防御や耐性の高さで攻撃が通りにくいのならそれ相応の抵抗って奴がある。だが目の前の奴にはない。スキルの匂いもしない……魔法も同じ。特殊なアイテムか? と思って全身をみる。奴はテア・レス・テレスのメンバーが来てる隊服を着てる。


 あれがそれなりの性能を持ってるのはわかってる。だが、だからって今の様な状況にはできない。それなら何か特殊なアクセサリーでもつけてるのかと、もっと細かい所をみる。耳には片方に青い宝石がはまったピアス。いくつかの候補を上げる事は出来るが、壊れ性能を宿してるわけじゃない。指にはそれぞれ両手に一個ずつの指輪が人差し指に嵌ってる。これはデザインがシンプル過ぎてよくわからない。


 よくわからないが、シンプルな奴程、その性能はお察しなのは常識だ。とんでもない名工がシンプルさを追求して作ったのなら……いや、やはりないといえる。俺事態は生産系のスキルをほぼ取ってないから分からないが、男色艦隊にも生産系の奴らはいる。前衛後衛とか戦闘系の他にも生産系はチームを支えるうえでとても大事で、それを疎かにしてるチームは上には来れない。


 家の生産系のやつらによれば確かより多くの素材を使った方が能力上昇を望みやすいという話だった。そして複雑な加工、そういう物にもやはり意味があって、シンプルなのはどうしても性能が低くなるという話だった。それを信じるのなら、会長のつけてる指輪は普通よりも性能が低い物になる。


 だが、それはそれで違和感がある。なにせ向こうはLRO最大のチームだ。わざわざ性能の低い装備を付ける必要なんてないだろう。貴重なアイテムとか集めるのは余裕……とまではいかないが、ある程度のものなら簡単に集められる筈だ。それなのに会長の指輪はシンプルイズベストを体現したもの。何か秘密がありそうな気がする。


「今、ありがとうと言ったな。どういう事だ?」


 とりあえず分からないから聞いてみる。会長はいきなり襲って来ようとする感じは一切ない。寧ろ、既に終わったかの様に佇んでる。


「言葉のままですよ。感謝したんです」

「それは、ここでお前を倒してくれる事に感謝してるのか?」

「まさか、私はスオウと決着をつけないといけないので貴方に倒される訳にはいきません」


 やはり俺に倒される気はないみたいだ。いやそもそもこの感じ、倒されるなんて事があり得る筈がないみたいな……俺は完全に不意を突いて剣を突き出した。その動きはまさに神速だった。スキル『無我の突き』どんな武器、いや無手でも発動できるノーモーションで神速の突きを繰り出せる便利なスキルだ。連撃じゃないから使いやすい。


 俺の剣が会長の胸辺りに突き刺さる。間違いなく突き刺さってる。けどやはり感触がない。だが今回は目の前で。その仕掛けを見逃すまいと驚愕なんてしてる暇はない。僅かに指輪が光った? それに長い三つ編みツインテールの髪の毛も何かが起きた様に見えた。


 狙いはやはりあの指輪と、髪とかも狙ってみるか。俺はそういって剣を会長の体から引き抜いて更に動く。

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