表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1082/2709

1082

「なに! 団長が!?」


 敵を振り切ってイケメンの増援部隊と合流して、なんとか拠点の一つまで戻ってきたら、そんな報告がなされた。いや、おかしいけどね。だって僕もイケメンさんも連絡手段になりえるアイテムを持ってる。それを持ってるのに、報告が出発した後ってどういう事? どう考えても意図的だよね? それともそれだけ混乱してたのか? ちなみに団長と呼ばれてるのは男色艦隊のリーダーだ。


 ムキムキしたおっさんだけど、カラッとした気持ちいい感じのおっさんだった印象がある。まあだけど男色艦隊とか作った後となってはなんか直接会うのは怖いから出来れば会いたくない。いや、本当にいい人なのはわかってるんだけどね。


「団長がそういったのか!? 全くあの人は……」


 部下の一人からの報告を聞くと、どうやら団長の指示で意図的にイケメンにはこのことを言わなかったみたいだ。多分絶対反対されるとわかってたからだろうけど……一緒に居る奴らの事も考えてほしい。まあイケメンさんは良く出来てる人の様で周りで当たり散らし足りする人ではないみたいだけど。

 けど明らかに厳しい顔してるのはわかる。なんせイケメンだからね。少し崩れただけでもよくわかる。まあそれでもイケメンだけど。


 一緒に居る別チーム女性とかなんかその顔を見てポケーとしちゃってるし。これがイケメン補正か。憂いたイケメンというのは女性にはたまらないらしい。


「はあ……とりあえず団長が簡単にやられることはないだろうし、こちらもどうするかだな」


 このイケメンさんは男色艦隊の副リーダーで団長との付き合いは一番長いから、結局は折れた。団長もそれがわかってるからさっさと行動に移したんだろう。不満は色々と言いたそうだが、ちゃんと団長の事を信じてるのがわかる。

 けど僕的には結構不安だけどね。だって……ね。僕のせいとはいえ、LROがリセットされかつての力はない筈だ。団長さんも前はバランス崩しを所持してたが、今はそれを持ってる奴はいないって話しだ。それなのにかつての力を……いや、もしかしたらそれ以上を有してるローレの奴が異常で、普通は皆弱くなってる。

 だから不安だ。皆どこまで会長の事を危険視してるのか……いや、油断なんてしてないだろうけどさ、それでも甘いかも……とおもえる。


「大丈夫なんですか? 相手はあの会長ですよ?」

「君が言いたい事もわかるが、既に団長たちは動き出してる。今からではどうにもできないさ」

「まあそうですけど……けど向こうの玉は幾つか集まってるし、他の散発的なのは攻略が難しい場所ばかりですよ?」


 そうなんだ。今の現状を言うと、向こうは四つの玉が集まってる場所が二個出来上がってるし、その他は僕が報告した感じ、面倒そうな所が多かった。明らかに守りにくい所から取らせてる。そして玉を集めさせて集まった玉を奪い返したところには戦力を集中させてる。

 それにただ奪い返した訳じゃない。急な斜面とか、大きな岩が視界を塞ぐ場所とかを選んで奪い返してる。明らかに全て計算されてる。

 まあ僕たちが持ち帰った玉も四つはあるが……たった四つだ。これで何とかうばった数は同数にはなったが、一時は大量にこっちがリードしてたのに、結局確保できたのはこれだけ。


 同数ならこれからって考えられるが、でもやはり掌で弄ばれてたと判明したのがでかいのか、拠点内はちょっと空気が重い。これでもし、団長が易々と負けたりしたら……不味い。男色艦隊は戦闘集団だ。その最高戦力が破れたとあってはこの空気が一気に敗戦ムードまで直滑降しかねない。

 流石に……ほんとうに流石にそれはない……よね? 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ