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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「団長! こちらの策が向こうに、使われたようです!!」

「わーってるよ。報告は来てる」


 ここは厚い防御を敷いてる玉の一つを守る要塞だ。四つある最重要拠点の内の一つ。ここは我等男色艦隊の砦となってる。折角混合部隊なんだから……と思うかもだが、やはりチームごとでやった方が守りとかはやりやすい。まあ攻めでもそうだが。

 チームが全員一丸になってるかというとそうじゃないからな。俺たちは同じ敵を見つめてる。テア・レス・テレスっていうでっけえ敵だ。俺たちがしのぎを削ってた中、そんな俺たちを高笑いしてぶっちぎっていったチーム。そしてそれからずっとトップに君臨してる。


 実際はトップに君臨し続けるというのは言う程簡単な事じゃない。確かにテア・レス・テレスはLROと繋がり、向こうのNPCとかを取り入れ規模を飛躍的に上昇させてる。だがその者達をエリアバトルで使えるって事ではないみたいだ。

 だからテア・レス・テレスは内部戦力で向かってくる火の粉を払ってる。いや払ってた。流石にここまで盤石になるとな……それ相応の規模のチームでないともう盾突くなんて出来ない。けどトップになり立て位の時は、勘違いした奴らが良く突っかかってた。


 今やこの十の中にいなくなったチームだって挑んで破れ消えていった。いや、吸収されたという方が正しいか? だがそれも解せない。実はランキングの上位にいるチームは前のLROでも名の通ってた奴ら属してるのが多い。それに俺は顔が広いからな。ランキング上位の奴らは半分以上は知ってた。


 だからこそ解せない。今やテア・レス・テレスに吸収されたチームの奴らはどいつもこいつも一癖も二癖もあるような奴らばかりだった。以前も戦ったし、こうなってからも何度も戦った厄介な奴らだ。そいつ等が誰かに尻尾を振る姿なんて今でも想像できない。


 だが、それでも事実。引退して別の奴がリーダーになってテア・レス・テレスの軍門に下ったのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。


「やっぱり一度は手合わせしてみないと分からんよな」

「なんですか団長? それよりこれどうするんすかー? めっちゃヤバイ状況っすよ!」


 確かに問題だな。たった一人に戦力を集中した向こうさんの隙に玉を奪うのは上手くいったと思ったが、どうやら誘い出されたようだ。


「ちっ、俺のアイデアを盗みやがって」


 俺も実は同じような事を提案したんだ。だが、リスクがあり過ぎるという事で結局チームリーダー会議で却下された。それをやられるとは。そんな事を思ってると報告が入る。玉を奪った僅かな部隊が何とか無事なようだ。援軍にどうやらあいつが入ったらしい。


 なるほど……あいつがこっちにいるならまだなんとかなるかもしれないな。どうやら向こうは会長が直々に出てきてるようだし、それに比べてこっちのリーダー格は俺を含めて後一人しかいない。最終バトルでは流石に全員揃う予定だが、それぞれにリアルもあるから仕方ない。


 今の俺たちは事前に決めていた作戦を実行してるだけだ。それではやはりテア・レス・テレスを会長を超えられない。俺たちの役目は最低限の玉を守り切ることだったんだが……このままではそれも難しい。俺の勘がそういってるし、会長いる限り、そんな甘い考えではこのままやられ続けるだろう。


「俺達も出るぞ。このままじゃダメだ」

「いいんですか? ここの防御はどうするんです!?」

「ここは立地がいい。援軍が来るまで持ちこたえるくらいできるだろ。そもそもがこそこそ守るだけなんて性に合わねえんだよ」

「全く……まあ団長はそういうと思ってましたけどね」


 一応もう一人のリーダー格の奴には連絡を入れておく。すぐに文句がかえって来るが、無視だ無視。結果を出して黙らせる。要塞から黒い鎧に身を包んだ騎士たちが飛び出す。テア・レス・テレスに見せてやろう。俺たち男色艦隊の戦いを。

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