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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 世界が白く染まる。きっとこの範囲にいる奴らにはそんな風に見えていただろう。そして一瞬遅れて巻き起こる爆音と衝撃。手加減は一切なし。構える前に出来るだけ倒すつもりで放った一撃。卑怯? ここは既に全域が戦場だ。


 卑怯なんてない。対応できない方が悪いんだ。


「マジか……」


 心の中で不意打ちの正当性を思ってたのに、どうやらテア・レス・テレスは対策をちゃんとしてたみたいだ。それはそうか。会長の奴、僕の動向気にしてるし、何かしらの手段で僕の居場所をわかってそうな節がある。いや、介入した時点で報告されてるよな。


 それなら僕がスピードを生かした攻撃をするのは想定するか。けどそれでも……それでも突破できるとじっさいおもってた。だってそれだけの攻撃力を持った一撃だったからだ。そもそも雷帝武装は今まで見せてなかったし、僕の一番の汎用的なスキルは風帝武装だと思われてる筈だったからこれを防がれるのは予想外。


 風帝武装はスピードと攻撃力のバランスが高次元で取れてるから使い勝手がいいんだよね。雷帝武装は威力特化で消耗が激しいのが問題だ。風は使うたびに消費なんてしないが、雷帝武装はそうじゃない。攻撃とかすると、その分結んだ雷を消費する。


 最大攻撃は今の僕には二回が限界だ。雷帝武装の持続時間は二分くらいだし、こうなったら……


カッ――


 と再び世界が白く染まった。今度は地面まで届いたのか、岩や土が空にまで吹き上がる。続けざまの極大攻撃に流石にこちらの味方の足も止まってる。てかデカいクレーターが出来たからまっすぐ行くか困ってる? 


「はあはあ……」


 疲労感がヤバイ……二回撃てるからといって二回連続で撃つことはんな想定してなかったのが実情だ。いやそもそも二回は撃てるけど、撃って大丈夫というものじゃない。雷帝武装にする為にアイテムも全部使ったし、この戦いで気軽に雷撃を使う事はもうできなくなった。


 上から落ちてくるフラングランをキャッチして、風を操って深く抉れた地面に降り立つ。その中心にもう一本のフラングランが刺さってる。そしてそのフラングランを中心にクレーターは出来あがってる。周囲を見ると、倒れて粒子化してるプレイヤーがいる。まあ全員がそうなってるわけじゃない。流石に耐えれる奴はいるみたいだ。

 でも雷帝武装の攻撃にはデフォルトで麻痺がついてる。必ず発症する訳じゃないが、そこそこ高確率みたいだ。これでかなりの奴らを無力化出来てる。


「うおおおおおおお!」


 けどやっぱり向かってくる奴らが数人はいる。こっちもかなり消耗してるから油断は出来ない。風もいきなり風帝武装まで持ってく事は出来ないし……いろいろとアイテムを使って防いだりしてる。そこにクレーターを降りて来て仲間たちが加勢してくれる。


「す、凄いな! これなら全員倒して合流できるんじゃないか?」

「いや、向かってくる奴ら以外は放っておいて振り切りましょう。追手だって迫ってきてるんです。早く仲間に合流して玉を安全な所に!」

「そうだな、それがいい!」


 了承は得られた。皆名残惜しそうだが、この状況に慢心して全員に止めを刺してたら、今度は追手に追いつかれてこっちが窮地に立つ。援軍がまにあってもここで泥沼の戦いを繰り広げる意味ってあんまりない。それよりも玉を確実に確保する方がいいだろう。


 僕たちは数にものを言わせて残ったテア・レス・テレスの残党を押しのけてこの場を通り抜けた。

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