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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 逃げる。僕たちは玉をインベントリ内に内包してる奴を守る様に内側に置き、残った奴らで集団になって走ってる。どうせなら合流して玉を一か所にまとめるまで待っててくれたら守るのも楽だったんだが、元々テア・レス・テレスはあの場所から逃がす気はなかったんだろう。


 目的の場所に誘導で来た時点で罠を発動させたみたいだし、一応この状況は奴らの想定外だとは思う。でも会長はどんな状況も考えてる。状況はシュミレーションしてただろう。その証拠にちょっと慌てただけで、それからは適格だった。


 それは僕への対応を含めてだ。どいつもこいつも障壁を常時展開してる。そういうアイテムを使ってる。アイテムの障壁を壊す事自体は苦じゃない。けどやっぱりワンテンポ乱れることに変わりない。更に後衛は自身で障壁展開してるしね。


 僕のスピードについていける奴なんてそんないないだろう。だからこそ、常時展開をしてるんだ。少なくとも一つ、二つ防護膜があると、耐えられると踏んでる。そしてそれは正しい。こっちは逃走してるから、止めを刺す為に深追いなんて出来ないし、奴らの攻撃を押しとどめるが精一杯。


 それに僕は進行方向にも気を配ってる。なぜなら、最初に起動したあの罠が他にないとも言い切れない。いや、会長なら更に逃げられた時の為に何か仕掛けてるのは明白だ。


 普通はそれ相応のスキルを持ってる奴らじゃないと、罠なんてそうそう見つける事が出来ない。けど、今の僕にはコードが見える。罠だってスキルだ。それならそのスキルのコードがそこにはある訳で、僕なら罠を看破するのはたやすい。


 僕は罠がある所を教えて進路を変えながら逃走を指揮する。同時に通信機を使ってこっちの現状を報告しつつ、援軍を頼むよ。けどそれもどうやら厳しい。残ってる十一の玉を守る戦力は絶対に必要だし、どうやらここだけじゃなく、他の場所も同じように襲われてるみたいだ。いや、ちょっと違うな。


 他の所は既に奪い返されたといっていい。あの強力な罠で大打撃を受けて、そこを間髪入れずに襲撃して、複数の玉が集まった場所を作り出して拠点にしてるようだ。


(どうする? こうなったら玉を持ってる奴らをばらばらに逃がすか?)


 それも一つの手だと思う。けどリスクが大きい。もうすでに十分な味方が残ってないのが大きい。ちゃんとしたワンパーティぶんくらいをそれぞれに割り当てられてるのなら、それもよかったかもしれない。けど今や玉を持ってる奴に一人か二人しかつけれな状態だ。


 そんな状態でバラバラに逃がしたとして、逃げ切れる奴がどれだけいるか……それならこのまま全部まとめて戦力を集中してた方がまだいい。そのおかげでテア・レス・テレスの連中も下手に手出しできなくなってるしな。


「つっ!」


 逃げてる前方……そこにテア・レス・テレスの一団がいる。避ける事は出来る。今の段階なら……けど、それに僕の中で警鐘がなってる気がする。今までもこうやってなんとか避けてきた。けど、それなのに追ってはまけてない。それってつまり、まだ会長の掌のうえって訳だ。


「前方に敵一団発見」

「またか! どっちに逃げる?」


 そんな声に僕は少し考える。そして結論を出した。


「このまま目の前の敵を突っ切りましょう」

「「「はあ!?」」」


 僕の提案に息を切らして走ってる仲間から信じられないみたいな声が漏れた。確かに今の状態で戦闘は不味い。けどここしかない。そう思うんだ。

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