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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕は作戦を聞いてすぐにまた飛び出した。僕の役目はテア・レス・テレスの玉の位置の把握だ。それなりに情報があるが、全てじゃない。僕が思うに、テア・レス・テレスの方はかなりこっちの玉の位置を把握してると思う。こちら側はまずは玉に集まる事を優先してた。


 けどテア・レス・テレスの襲撃から考えて、それを狙われたのは明らかだ。どうやらそれはこっち側の中心の奴らもわかってるようではある。まあそれはそうだよね。けど別段、今まで盗られた玉を痛手とは思ってないようだ。仕方ない犠牲という感じだね。それにこっちはにはまだ死んだ奴は一人もいないという。


 最初のテア・レス・テレスの襲撃も玉を盗る事を優先してたらしく、玉を盗むととっとと撤退してたからそれ程交戦してないらしい。今は逆にこっちが攻めてるらしいが、十分な戦力を編成して、守りの薄い所を攻めているとのことで上手くいってると言ってた。


 更に攻め込む場所を判断する為に、僕は偵察任務という事だ。僕以上に縦横無尽に動ける奴はいないだろうしね。まあ本当は単独行動はしない方がいいとおもう。またいつ、会長の牙が向くかわからないし……けどしょうがない。


 だって僕と同じスピードで動ける奴なんていない。いや、瞬間的になら同じくらいのスピードを出せる奴はいるだろうけど、僕はそれを継続できるからね。だから仕方なく単独行動だ。


 僕はエリアの反対側を目指してる。その道中でもそれなりにテア・レス・テレスの拠点を見つけた。けどどうやらあいつら、玉がみえないようにしてる。まあそれはこっちもやってるんだけどね。全く玉がない所に戦力を集中させて無駄な行動をさせるのかなって思ったが、ただ単にこっち側の狙いは確信させないことらしい。


 玉を見せないことで、もしかしたらここには玉がないのかもしれないと思わせる事ができる……かもしれない。こっちのほとんどの玉の位置がバレてると考えられる今の状況じゃ、それほど効果は期待できないが、守る物を簡単に敵の目に晒すのもどうかと思うから、反対なんてしないけどね。


 けどこっちはそれでいいが、向こうがやると状況が変わる。はっきり言えば、敵が集まってるからといって、そこに玉があるかテア・レス・テレスの場合は本当に分からないってことだ。僕はわざわざ確認まではしてない。僕は敵が集結してる地点を報告して、それを戦術を考える人たちが参考にして色々と考えるんだろうから、とにかく今は情報が大切だ。


 だから僕はマップの隅から隅まで走る事になった。地下に空間があったり、山肌の洞窟なんてのもあるし、巨大な岩と岩とが重なり合って出来たスペースに隠れる様にしてる玉もあるかもしれない。でもコードを使えばどこにプレイヤーがいるかはすぐに分かった。

 まあ玉は何故か見えないが……たぶん会長の奴が何かやってるんだろう。けどプレイヤーが集まってる場所に玉がある確率は高い。


 僕がそうやってマップを走り回ってる間にもこちらの攻勢は続いてるのか、時々戦闘音とかが聞こえる。通信にも、どんどん玉を奪取してるらしい通信が入ってくる。


「でも……なんかおかしいな」


 既にこっちがテア・レス・テレスに奪われた玉を超えて奪ってる。喜ばしい事だ。でもまだ取っただけで、こっちの玉にはいれてはないらしい。油断は出来ないけど順調だ。けど順調だから、これはおかしいと僕は思うのかもしれない。


 あいつが会長がただで取られるなんてってさ。これは僕の気のせいかもしれない。けどざわつく。今の状況さえも会長の思い通りなんじゃないかって……

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