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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ははっ君を勧誘はしないよ」


 イケメンは僕の心を読んだのか、笑いながらそういう。


「我々の共闘はこのバトル期間だけ。本質的には皆ライバルだからな。だが敵の敵は味方という事だよ。テア・レス・テレスには一つでは太刀打ちできないからね」


 確かにイケメンの言うように、テア・レス・テレスは群を抜いてしまった感はある。まあ実は他のチームの事とかそんな知らないんだが、レスティア程デカい都市を抱えてるチームなんて他にいないだろう。


「それにローレの奴と事を構える気は家にはないさ」


 なんかかなりローレの奴を警戒してるみたいだ。規模で言えば、ローレのチームなんて小規模な物だ。男色艦隊みたいな数百人規模の大規模チームからしたら物量で押し切れると思うんだが……まあそれもエリアバトルのルールによるが。


「じゃあ僕はこの期間だけ、貴方たちにも酷使されるって事ですか?」

「ははっ、どうやらローレにはかなり酷使されてるようだね。それならどうだい? やっぱり家に――」

「ついさっきローレを敵に回す気はないって言わなかったですか?」

「そうだが、君にはそれだけの価値があるかもしれないからね」

「会長も随分君にご執心の様だしね」


 面白がってるようだが、このイケメン瞳の奥が鋭い。値踏みされてる? 会長が僕にご執心に見えるのは間違いじゃないが、それは僕たちにリアルのつながりがあるからだ。まあそれを言うような事はしないけどね。イケメンも深く聞く気はない。


 だってここでは個人の情報を聞き出す事は重大なルール違反だからね。LROはリアルとは別の世界で、僕たちプレイヤーは違う人生を歩んでる。そういう事になってるんだ。それが暗黙の了解だ。


「とりあえず君には私の権限でこれを与えよう」


 そういってイケメンはその手にピアス? みたいなのを出した。見ると彼もしてるね。


「これがあれば戦場の状況がわかるし、通信手段にもなる。それにこれをしてる者達の位置もマップに表示される筈だ」


 そう聞いて僕はマップを出す。確かに……さっきまで表示がなかった点が増えてる。でもこれをしてる奴ら、あんまり動いてないぞ。拠点にいる奴らばかりがしてるのか? まあ何個かの点は動いてるが。


「これ、全員に渡した方がいいんじゃ?」

「これには上限がある。通信手段を縛るのは今回のバトルのルールなんだよ。限られた数を誰に渡すかは何回もそれぞれのチームで議論したさ。今さら疑問を挟む余地はない」


 そういう事なら、僕が何かを言っても意味はないだろう。今僕が貰ったのは多分何個か残しておいた予備って感じなのだろう。


「君はきっと今動いてる者達にこれを持ってる奴が少ない事に懸念を覚えてるのだろうが、問題はないよ。ちゃんと第二陣にその者達を組み込んでる。実行部隊と戦略部隊は違うということだ」

「なるほど」


 つまりは単純な事をさせる奴らと、深く作戦を知って動く部隊とで分けてるっ事か。合理的といえば合理的だ。何も考えずに暴れたい奴だっているしね。


「君も今から戦略的に動いてもらおう。君は色々と使えそうだからね」


 そういうイケメンの笑顔が胡散臭いと僕は思った。

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