表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1063/2696

1063

 三十人いた敵は既に半数くらいになった。けどそれでもまだまだ多い。けど向こうも焦ってる。流石に一人にこれだけ潰されるとは思ってなかったんだろう。いや、会長ならこの展開も予想してた? でもそれならわざわざ足手まといを数に入れる様な事はしないだろう。


 それとも別の目的がある? 分からないが、残った奴らは強敵だ。実際には残り十五人の十人は後衛だ。そいつらは結界を作って塊、強固な守りの中で、時折回復魔法とかを仲間に施してる。これが厄介極まりない。今まではなんとか上から襲撃擦る事で、相手の弱点を突き、勢いのままにごり押し倒してきたが、さすがに残りの五人はそんな手が通じない。


 どいつもこいつも体力を装備やスキルで補ってるのか、HPも多いしちゃんと技術もある。今の戦い方では動いた時に仕留められないと直ぐに後衛の奴らに回復される。これじゃあ、いつまで経っても倒すことは出来ない。今まで倒した奴だってそれなりだったんだろうが、こいつらは別格だ。


 それにめっちゃ厄介な人がいるんだよね。僕は眼下にいる一人に目を向ける。その風体は着流しを来て、刀を腰に差してる。そして笠を被ってるがわかる。あれはブシさんだろう。テア・レス・テレスが全て身内で固めないと行けないなんて決まりはないんだろう。ごく少数なんだろうけど、傭兵を頼んでても不思議じゃない。


 だってこっちは沢山のチームの合算で百人を捻出してる。テア・レス・テレスは巨大だが、やっぱり戦闘が得意じゃない奴らだっているだろうし、一つのチームで百人適性な奴らを揃えるのはね……難しいのかは分からないが、難しそうな気はする。


 だから傭兵がいたっておかしくはない。まだあんまりブシさんには仕掛けてない。だってあの人には一度やられたし……あの時よりも僕は強くなったと自負してるが、あの人の強さはよくわからない。スキルなのかなんなのか……だからできれば一対一に持ち込みたい。

 けど今の状況ではそれはとてつもなく難しい。今ならわかる。やっぱり会長の奴、僕に一切の慈悲をかけてないって。どんだけ困難な道のりを用意してんだよって思う。


 しかも会長はそこまで僕が来たとしても、勝てる様に既に手を打ってるんだろう。僕とやり合いたいのは個人的な望みなのかもしれないが、そこで負ける気はさらさらないという事だ。あいつらしいよ。ここで僕がこいつらに負けてステータス低下を受ければ、会長に勝つのはどんどんと遠ざかる訳だしな。


 僕はとりあえずそれなりの距離を取って地面に降りる。


「ようやく降り来たか」


 そういって鎧に身を包んだ斧をもった奴を筆頭に周囲を取り囲む。どうやらあいつが司令塔のようだ。まああいつが適任か。あの斧野郎猪突猛進なだけのバカかとおもったけど、違うようだ。ちゃんと引き際をわかってるし、周りも見えてる。そして一番厄介なのはあいつが一番HPが高い事だ。


 回復役の後衛をやれない今、次に狙うとしたら司令塔だろう。司令塔がいなくなれば、混乱を引き起こせる。まあこの人数じゃもう意味はないが……前衛達は各々強いしね。後衛は固まってて障壁まで張ってるから余裕かあるだろう。既に僕が何回も突破しようと試みて無理なのをわかってる。


 つまりは……


「全員相手にして全員ねじ伏せないともう手がないって事だな」


 嫌になる。なんで僕だけこんなぎりきりの戦いしてるんだよ。いや、僕だけじゃないと信じよう。このエリアの各地できっと戦いは起こってる筈だ。少しでも優勢にするために、今は僕も戦うしかない。じりじりと距離を詰めてくる五人。どうせなら一対一がいい。なら、今広がってる時に攻撃を仕掛けるべきだろう。取り囲む範囲が狭まるとこっちが降り出し、向こうは援護しやすくなる。僕は動く。きっと相手には消えた様に見えた筈だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ