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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「そろそろ一度戻るか? けど……」


 僕はマップを見て近い玉の位置を確認する。取り合えず見える範囲ばかりの玉を狙ってたから、マップの三分の一範囲の一部くらいしか移動はしてないが、どこに持ってくのかが問題だよな。この玉は最後まで守り切らないといけない。

 最後というのはどちらかが玉を全部得るか、それか制限時間までの事だ。実際どっちが玉を全部取る……なんて想定はしてないと思う。だって玉の数が多いし、どうやら玉は所々防衛有利な地形に配置もされてるとこの数分動き回ってわかった。


 僕はなるべく取りやすい所から取ったからそれを放置してしまったわけだけど、後々それが効いてくる気がする。けど攻めづらい所は他よりも防衛固くしてあったんだよね。まあけど、そうでないところもあった。なんだか誘導されてる様な気がしないでもない。


 普段ならそこまで考えないけど、今相手にしてるのは会長だ。考えすぎて悪い事はない。


「多分、あいつなら僕がやってるってわかってるだろうな」


 やっぱり安全の為にも一度奪った玉をこちらの玉に入れたい。でもただ単に近くの適当な玉に持ってくのは愚の骨頂だろう。どうせ玉を入れるのなら、守りが強固な場所の玉がいい。まあけど、どこがそれに該当するのかはわからないんだが。

 デカいチームの奴らもマップまで把握してた訳じゃないみたいだからな。それはそうだよね。流石にマップがわかってたのなら、もうちょっと色々と作戦とかあったかもしれないし。こちら側はとりあえず防衛を固めてそれからって事くらいしか聞いてない。


 だから僕の行動は余計な事なのかもしれない。ある程度向こうが速く動いたとしても、最終的には全部取られるなんて事はないと思ってるだろうし、防衛に徹すれば時間制限である程度玉を守り切れる……と思ってる? まあそんな消極的な作戦ばかりじゃないと思うけどね。


 流石にずっと攻めないなんて事はないと思う。最終的に玉の数は最終日の戦いの有利不利を決めるアイテムになるんだしね。


「とりあえず一番近くは危険だな」


 安易に一番近くの玉に今まで集めた玉を入れると、予想されてそこを重点的に狙われるかもしれない。ある程度玉同士が近くて密集してそうな場所なら、カモフラージュになるかもだが……テア・レス・テレスはちゃんと考えて奪ってるのか、そういうのは予め潰されてる。

 それならテア・レス・テレスがまだ取ってない範囲に……とか考えてもむこうは連携してマップ全域で玉を取ってるときた。


「ヤバイな……どこが安全なのかわからない」


 せめて通信手段があれば……とりあえず近くの玉に行ってみるか? そこになら確実に数人か数十人は集まってる筈だ。その中に大手チームの奴がいれば、全体をきっと把握してるだろう。そいつにきいて、最も安全な玉に向かえばいいか。


 そう考えた時だった。空に何やら魔法の光が上がる。それは上空でとどまってる。そして色んな所からそれに目掛けて更に魔法の光が飛んでいた。集まって大きくなると、今度は五つに分かれて飛び散る。四散していく光は地面に落ちる同時にその光の柱内部の地面を光らせる。


「なんだ?」


 なんだか嫌な予感がする。僕は一度岩の上に着地した。そして周囲を見回すと……なにやら敵プレイヤーがわらわらと見えた。


「これって……」


 僕を狩りに来てる? 確かに今、敵側の玉を持ってるのは僕だけだ。どうやら奴らの狙いは僕みたいだ。

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