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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 今日のエリアバトルに参加する奴らがその場に飛ばされて既に五分くらいが経過した。どうやら転送された瞬間にバトルは始まってるようだ。飛ばされた場所は岩山だった。まあ僕がいる場所が岩山なだけかもしれない。多分ここは丁度マップの中央だ。今回のバトルエリアは岩山を中心にその裾野が範囲みたい。


 なんかストーンロックの様な岩が大量に聳えてるエリアだ。下の方には多少の緑も見えるが、どうやらほぼ岩だとみていい。まあマップの端の方までは見えないから断言はできないが。玉はもしかしてこの岩の中に紛れてるのか? それともどっかの台座に鎮座してるんだろうか? 一応マップを見ると自分たちの玉の位置はわかる。玉は全部で二十ある、テア・レス・テレス側も同数だろうから合わせて四十個の玉がある事になる。


 そんな事を考えてると、次々にこちらの玉が消えていく。一気にこちら側の玉は十六になった。始まって五分でこれってどうよ。向こうの動きが速すぎる。確か、インベントリに収納された玉はみえなくなると聞いた。けどまだ完全に取られた訳じゃなく、そのプレイヤーを倒せば取り返せるらしい。


 けど敵の玉は自分たちの玉に取り込む事が出来るらしい。そうなると取り返すのは非常に大変だ。だから出来るだけ、防備を固めて自分たちの玉を守りながら敵の玉を取って玉に入れていくのが重要。ここでポイントなのは自分たちの玉はどうやら自分たちでは動かせないという事だ。


 玉を動かせるなら、全てを一か所に集めて大量戦力で守るって事も出来たわけだけど、動かせないから、人員配置とかを工夫して守り切るしかない。これはかなり戦略とかが重要になってくる。だからこそ僕達の挑戦者側はまずは近くの玉の周りに集まる事になってた。

 どうやら玉の傍では自動回復が少量受けられるらしい。防衛を有利にするための仕掛けだね。だからお互いまずは防備を固めて……とかおもってたんだろう。けど会長が……日鞠がいるのにそれは希望的観測過ぎた。既にこんな思考をしてる間に更に二つ消えてこちらの玉は十四になった。


(いや……でも流石に奪うのが速すぎじゃないか?)


 自分たちの玉は見えても相手側の玉は見えない筈だ。それなのにこのスピードは会長だけが近くの奴らから奪ってるなんて事じゃ説明できない。そもそもが玉が消えた地点はそれぞれ離れてる。


「これは……連合軍と一個の超巨大な軍との違いだな」


 僕たちは所詮助っ人であって、詳しい話も今日聞いた。けどテア・レス・テレスは固い絆でつなぎ合った家族みたいな集団だ。それに会長なら全ての事を想定して対応策を練ってる。僕は周囲の気配を探る。そして感じ取った所へ走ってフラングランを振るった。


 するとただの風景だった筈の所にプレイヤーが現れて呻く。


「なぜ……分かった?」

「簡単な事だよ。自分たちでは敵の玉の位置はわからない。なら案内させればいい。この初めの段階じゃ集まる速度もバラバラだろうし、そもそも警戒も緩い、そこを突いてるんだろう」

「流石――あの方が注意を促す人物だ!!」


 パーティーで僕を監視てしてたのか、斬ったのは一人だったが、隠れてたの五人だった。そいつらが役目を果たすべく動き出す。けどさせない。僕は風を操って連撃を全員に叩き込む。


「ばか……な!?」


 五人全員が光となって消えていく。とりあえずどうにかしたが、このままじゃ不味いな。確か戦闘不能でも魔法で復活出来る筈だしね。一応直ぐに復活は出来なくて、復活できるクールタイムがあるみたいだが。それに死ぬ度にステータスが低下すると聞いてる。会長の事を伝えたいがメッセージとかは今回は使えないから魔法的な通信方法しか手段がないが、僕にはない。多分大手同士は通信できるように打ち合わせてとかしてると思うけど……すでに対応をしてるのに期待するしかない。


「既に結構取られてるし……とったやつを探すのも無理だよな。なら……真似するか」


 幸いに僕の特技はスピードだ。上手くやれば、戦闘をせずに玉だけ奪える。


「風帝武装アウラ」


 僕は風の鎧をまとって岩だらけのエリアを文字通り風になって駆ける。

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