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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 沈黙が場を支配してる。私とマイオさんはその衝撃と喪失感に言葉を失ってる感じだ。その中でオルガトは扉を消しててローレさんは地面に散らばった紙を眺めてる。


「さてっと、俺っちもう帰っていいっす?」

「本当に二人を会わせるの?」


 え? それってどういう事? 私はオルガトとローレさんの会話に耳を傾ける。


「それは二人の愛っしだいすよ。それに愛には障害があった方が燃えるっしょ?」

「冷めるかも」

「それは期待外れっすね。俺っちが楽しめないじゃないっすか」

「ほんと、いい性格してる」

「俺っち、闇の精霊なんで」


 そういってオルガトは消えていった。いくつかローレさんは紙をとっては投げ捨ててる。その一つが私の傍に丁度表側で流れてきた。それが視線に入った。


「これって……日記?」


 なんかそんな感じの文章だった。あの奥さんの日記なのかな? なんだが初々しい少女の恋心みたいなのが書いてある。私は別の紙をとってみる。すると今度は子育てにつかれた愚痴が書かれた日記だった。うーん、これは何? 私はローレさんを見る。


 すると新たな紙をとってたローレさんがピンと指ではじいてその紙を捨てる。


「どうやら、これ全部今の人の日記みたいね」

「なんで……こんな……」

「きっとこの中に重要て情報があるんでしょ。それと、残しておきたかったとか」


 自分の存在証明とかって事だろうか? とりあえず私とマイオさんで散らばってる紙を集める。それを一切手伝おうとしないローレさん。こういう時ってなんかしてないと悪いかな? とか思う物じゃない? ローレさんは何やら床に魔法陣を光らせてる。


「これで全部か?」

「多分?」

 

 私とマイオさんの腕には大量の紙がある。なんかこれ……インベントリにいれれないんだよね。どうしてだろうか? これまでそんなアイテムは存在しなかった。けどこれは……いれれない。そのせいで大変な事になってるよ。


「それじゃあ、ここから出るわよ」


 そういうローレさんは魔法陣を輝かせ始める。そういえば奥さんいなくなったのに、私たちはこの空間にいる。こういうのって原因とかがいなくなったら元の場所に戻る物だよね。なのにそれがない。それなら、空間とかを壊すしかない。

 でもそんなのって簡単じゃないよね。少なくとも私やマイオさんには簡単じゃない。でもローレさんは普通に「出る」って言ってる。

 そんな簡単な事なの? と思うけど、ローレさんには特に気負った感じもない。ごく普通に当たり前のことのようだ。これの為に紙を集めるのを手伝わなかったのなら……文句はいえない。寧ろ助かったといえる。真っ暗な空間に光が満ちていく。


 まるで世界に光を届けるかの様な光景だ。私と彼女……とても大きな差がある事を実感した。

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