表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1043/2700

1043

 レシアの攻撃が私を捉える。レシアの手はちょっとみない間に……いや、みてたはずだが、なんか四本くらいになってた。だから不意を突かれた。カマキリの鎌の一つがよけきれない。こうなれば仕方ない。


「つっ!!」


 私は片手で銃を胸の所のホルスターから取り出して迫る鎌にガンガンと二発撃つ。けど驚いた。なんと当たった弾が切れやがった。何か特別な動きをしたわけじゃない。迎撃にも動いてなかった。なのに切れた。軽くあの刃に触れただけでだ。


(これって不味くない!?)


 私はそう思った。多分この鎌の威力はそうとうヤバイ。今の私の装備なんて意味をなさない可能性がある。勿論シルクちゃんの補助魔法とかで底上げされてるが、元の装備がそんな上等じゃないと補助にも限界があるという物だ。私が騎士の人達みたいな鎧を着こんでたらまた違ったんだろけど、あんなごつごつしたのは私の趣味じゃない。

 私は見た目も重視して装備を選んでるからね。だってここはLROだよ。ゲームの世界だ。全然覆う場所が少ないビキニアーマーがフルプレートを超える防御力を持ってたりする世界だ。それにスキルで底上げすれば装備なんて必要ない――なんて極論もあるらしい世界。


 なら好きなの着た方がいいじゃん。冒険したって臭くなったり、汚くなったりしないんだからお洒落でいなきゃいけない。お洒落じゃない所なんてみせられない。誰にとも言わないけど! 


「ごめんセツリ君!」

「きゃ!!」


 私はいきなりグイっと後方に引かれた。そして入れ替わる様にマイオさんが前に出る。そして自身の剣でレシアの鎌を受け止めた。凄い――あれをちゃんと受け止められるんだ。よく見ると剣には青いオーラが沸き立ってる。でもレシアの手は一つじゃない。四つある。


 残りの鎌がマイオさんに迫る。


「させないよ!!」


 私は逃げるんじゃなく位置を少し変えてレシアへと迫ってた。一瞬レシアからはマイオさんの陰に入って私は見えなくなった筈だ。それを利用して私は死角から剣をまっすぐに突き出してた。狙いは頭だ。酷い? けど適当な場所なんて狙っても意味ないじゃん!! だから頭だ。きっと一番ダメージが通る筈だから。


 私の細身の剣がまっすぐにレシアへと伸びる。確かにレシアの攻撃は速いが、今は私の突きの方が早く届く。確信があった。


 そしてそれが正しいと判断されたのか、レシアは攻撃よりも避ける事に意識を向けた。どうやら私のミジンコみたいな攻撃でも反射的に避けちゃうみたいだね。まあ結局避けられたんだけど。でも私もマイオさんもダメージなく健在なのはこっちが勝ちといってもいいんじゃないだろうか?


 私は目いっぱい腕と体を伸ばしてもレシアには避けられた。そんな私の体をマイオさんが強引に抱えて距離をとる。


「どこ触ってるんですか!?」

「今は戦闘中だ!!」


 その一言で私の大切な部分を触った事を言い逃れするマイオさん。確かにそうだけど……そうだけど!!


「よくやりましよセツリ!」


 態勢を少し崩してるレシアの後ろからオウラさんが彼女を羽交い絞めする。何故にいきなり私を抱いて離れたとのか思ったらこういう事ね。どうやらオウラさんとテッケンさんはこの時を狙ってたみたいだ。テッケンさんのナックルが自身を超える大きさに変化して、それを合わせて大きな拳となりさながらロケットパンチの様にレシアへと向かう。


 レシアはオウラさんに羽交い絞めにされていて避ける事はできない。でもオウラさん自身も巻き込まれるよね? その予想は正しく、ロケットパンチにオウラさんも吹き飛ばされていってた。


(無茶するな~)


 私はそんな事を思ってた。でも直撃は間違いなくしただろう。これで止まってくれれば……攻撃の余波で土埃が起こってて視界が悪い。私は必死に視線を凝らした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ