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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「セツリ君! ぐっ……」


 私と壁の間に体を滑り込ませてきたマイオさんが私の代わりに衝撃を受け止めてくれる。それなりに痛かったが、きっとダメージはマイオさんの方が大きいだろう。


「あ、ありがとうございます」

「はは、無事ならなりより。それよりも、まだまだくるぞ」


 前を見据えてそういうマイオさん。その横顔がちょっとスオウに重なって見えた。いや、全然顔違うんだけどね。スオウはどちらかというと中性的な顔立ちだけど、マイオさんは領主にしてはちょっと野性的な感じがどことなくある。


 普段はそんなことない。おおらかで、優しい領主やってる。けど実際事務的な事よりも、やっぱり戦闘とかの方が好きなんだろうなってのはなんとなく私程度の付き合いでも分かってた。


 だって生き生きしてるからね。今だってレシアみて目を輝かせてる。それこそ子供みたいにね。うん、やっぱりこうやって見るとスオウとは違うね。何を思ってるのか私……私も気合を入れなおしてレシアをみる。


 どうやらオウラさんとテッケンさんが果敢にも攻め込んでるみたいだ。あの風の中でよく……とか思ったけど、どうやらセラさんが聖典を使って気を引いて風の方向を誘導してるみたいだ。あの風はレシアの前方だけに吹くから、少し横を向くだけでも阻む抵抗は大幅に減る。


 だから聖典で気を引いてその隙にオウラさんとテッケンさんを接近させてるようだ。ああいうのが凄いよねって思う。別段そんな打ち合わせをしてたわけじゃない。なのにあんな風に連携を直ぐに取れるっていうね。ああいうの私にはハードル高い。


 だってLROのバトルはターン制じゃないんだもん。ターン制ならじっくりと考える事が出来る。でもここはそんな優しいバトルは採用してない。状況はめまぐるしく変わってく。初心者な私にはついてくのがやっとだ。戦いなれた人たちが何かやってるんだろうなってのはわかるけど、戦闘に参加してたら狙いとか考える暇なんてない。武器使うのに必死だし、目の前の敵に全力投球しないといけないんだもん。


 しかも今回のレシアは何をやってくるかわからない。前の時は運を操作出来たレシアだけど、流石にこの生まれ変わった状況ではその力はないとみていいと思う。でも前のレシアは大人しくて良かったんだけどね。今はもうアグレッシブすぎるよ。あの中に私も入るの? 


 レシア、緑色の気体を吐いたりしてるし、そこに身を隠して今度は腕をカマキリの鎌の様にして攻撃してる。今はこうやってちょっと離れてるからそれらが良く見える訳だけど……たぶん戦ってるオウラさんやテッケンさんって視界悪い中でよく反応できると思う。


 特にオウラさんなんてあの緑の気体の中で戦ってるよ。あれきっと毒だよね? 大丈夫なのかな? なんか頬が膨らんでるから息止めてるんだろうけど……原始的に攻略してるよあの人。あんな事私にはできない。緑の気体の中にいるから、それこそオウラさんは柊の姿が見えなくなったりしてる筈だ。緑の気体はここからハッキリ見えるくらいに濃いからね。


 それなのに反応してる。ああいう事が出来ないとあのクラスの戦闘は出来ないんだろう。テッケンさんは流石に毒の霧に入らない様にしてるけど、レシアの奇想天外な攻撃にちゃんと対応してる。やっぱりレベル高いよ。


「いけるか?」


 私の不安を感じたのか、マイオさんがそういってくる。どうやら騎士の人達は後衛の防衛に充てるようだ。なのでメインでレシアを攻略するのは私たちの役目。そしてあの子は、私にとっての関係者。今のあの子からしたら赤の他人かもしれないけど、私はそんな風には思えない。


 解放してあげたい。あんな化け物でおわらせない。私がそんなの許さない。だから見てるだけなんて出来るはずない。私は力を込めて立ち上がる。

 その時暖かな光が私を包んで減っていたHPをシルクちゃんが回復してくれる。でもHPだけじゃなくて、心も少し強くしてくれたみたいに感じる。シルクちゃんの光はとても暖かく、支えてくれる感じるする。


「行きます。あの子は……レシアは私が助けます!」

「よし!」


 私とマイオさんもオウラさん達の戦闘に加わって柊と刃を交える。マイオさんはどうやら危なっかしい私のフォローに回ってくれるみたいだ。


「危ない攻撃は引き受ける。思いっきりいけ!」

「はい!!」


 私は背中をマイオさんに預けてレシアを見据える。今度は私が手を伸ばしてあげるよ!!

ちょっと前の話から出てた『柊』を『レシア』に変更しておきました。ミスです。ごめんなさい。

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