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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 大量のアンデッドたちに、私たちは挑む。アンデッドは普通に倒すには骨が折れる奴らだ。けどその代わりに回復魔法や、回復薬といった回復系の物でダメージを与える事が出来る。だからさっさと大量にある回復薬を使えばいいんだろうけど、どれだけ倒さないといけないのかもわからないから最初からバンバン使うのは控えてほしいとの事だった。


 まあ元々マイオさんの物だし、しょうがない。弱った所に数的振りかけるくらいでやってる。アンデッド再生能力があるが、弱ってたら少しの回復薬でもアンデッドを滅せれる。けどそれは雀の涙みたいなものだ。どんどん沸き上がって来てるんじゃないかってくらいにアンデッド共が私たちを囲んでる。


「マイオさん! 流石にこれは不味いですよ!」

「そう……だが、まだだ。まだ回復薬を一気に使う訳にはいかない!」


 マイオさんは何かを待ってる感じだ。そういわれちゃあね……けど、マイオさんはともかく、私はつらいよ。私はまだそんなスキルも持ってないし、装備もそろってるとは言えない。武器は結構いいのを譲り受けたから、まだなんとかなってるけど、流石に自分の傷には回復薬を惜しめない。


 これだけに取り囲まれての戦闘なんて経験ないし、前ばっかり気にしてたら、後ろからやられたり……HPの管理は絶対だ。私の回復で回復薬がもしかしたらなくなるかも? それは避けたいけど、限界は近いと知っててほしい。


 マイオさんは華麗に戦ってる。なんかスーツみたいな服に、マントをしただけの防御力弱そうな服なのに、この包囲網で傷も汚れもないとか……おかしい。マントなんかヒラヒラしてるからね。あれが汚れてないってなに? 早いわけじゃない。上手いって感じだ。


 それに私と違って余裕がある。あれはきっと沢山の修羅場を潜り抜けてきたからだろう。


 


 ヒイヒイ言いながらアンデッド達を滅してたら、途中から押し込んできてたアンデッドたちが引いていく。退却してくのかな? と思ったら、違った。そもそもアンデッドにそんな思考は存在しない。奴らは生者を襲う事だけしかしないのだ。


 その筈のアンデット達が本能とは違うことをしだしてる。何かが起きる……嫌な予感がする。


「い、今じゃないですか? 今なら集まってますよ!」


 私は集まってるアンデット達を指さしてマイオさんにそう提案する。なにかする気配はマイオさんも感じ取ってるだろう。なら今でしょ。わざわざさせる必要はない。


「確かにこのタイミングかもしれない!」


 私たちは視線を合わせて頷いた。そして走り出し、届く範囲までいって蓋を開けた回復薬を投げ出す。アンデット達が集まる黒い靄の中に回復薬の青い液体が降り注ぐ。すると、怨嗟の様な声が響きだした。


「苦しんでる」


 私はそう判断した。ありったけの回復薬を投げまくる!

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