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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「はあはあ、疲れたー」


 私は尻餅をついて空を仰ぐ。もう日が……冬だから学校終わって直ぐに帰ってきても夜は早い。子守とかしてたらそれこそ、やりたい事が出来ないよ。まあ別段やりたい事がある訳じゃないけどね。エリアバトルだって私たちはまじめにやってる訳じゃないし……前いたときは私はこの世界を楽しめなかったから、エンジョイ出来たらそれでいいんだ。


「お疲れ様」


 そういって彼、マイオさんが飲み物を放り投げてくれる。どうやら回復薬みたいだ。私はそれを開けて喉を潤す。うん、美味しい。


「ありがとうございます」

「なかなかやるね」

「いいですよそんなお世辞」

「本心なんだけどな」


 はは……そんな訳ない。だってさっきの戦い……戦闘を見てたらそのくらい私にだってわかる。素人臭い私と違って領主なのにマイオさんはとても強かった。動きがなんか慣れてた。その証拠に私はこんなにぜはぜはしてるのに、彼は直ぐに息を整えてる。


「さて、まだいけるかい?」

「はい?」


 こいつが何を言ってるのかわからない。もう倒しましたけど?


「あれは目的のモンスターじゃない。死臭におびき寄せられたモンスターだよ」

「それじゃあ……」

「ああ、まだ依頼は達成してない」


 それならそういってよ! 私は今さっき全てを出したんだけど! だから既に帰りたい……私、頑張ったよ? こいつの強さはわかったし、私がいなくても大丈夫でしょ。


「えーと私ちょっともうアイテムが……ね」

「大丈夫、余分に用意してるから、渡そう」


 そういって彼は私にアイテムを渡して来る。おいおい、この人どれだけ持ってるの? これが領主の力か……領主という権力と財産を使ってアイテムを買い占めてるんじゃない? という感じの量だ。既に私の最初に持ってたアイテムの量を超えてますが……


 ここまで用意されたらことわれない。しょうがないから私はまだ付き合う事にした。きつかったけど、まだやれる気もしてる。でもやっぱり剣で戦うのはなんかなれない気がする。スオウが剣だから私も剣で隣に立ちたかったんだけど、最近は間違った気がしてる。


 でもそれはあんまり戦闘して無いからかもしれない。そもそも、スオウは毎回とんでもない戦闘をしてるんだから、あんまり戦闘してない私が追いつけるはずない。大体私はきついの大嫌いだ。けど、さっきの戦闘を乗り越えたら、達成感があった。


 こういうのが手応えっていうのかな? もうちょっと出来るかも……的な感じが今はある。


「あれだ」


 そういうマイオさんの視線の先には骨がいた。それは人型やら、さっきの狼のようなのやら、もっと別のもいる。


「アンデッド?」

「君たちのおかげでスカルロードドラゴンは滅したが、その影響はまだ残ってるんだよ。だから領主として、それを断ち切らないといけない」

「あっ、もしかしてこの大量の回復薬は……」

「おかげでスッカラカンだよ」


 どんだけお人よしなのよこの人。どうやら領主としてのお金ではなく私財をなげうったらしい。これも領主としての務めなのかな? でも普通のプレイヤーはそこまで責任感なんかないでしょ。そもそもいきなり領主になったのに……


「変な人」

「何かいったかい?」

「いいえ、やりますか!」

「ああ!」


 私はやる気が出てきてた。しょうがないから、手助けしてあげよう。このお人好しな領主様なら、孤児院も安泰だろうし、助けたいって思ったんだもん。

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