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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ん」

「うん」


 僕は摂理に飲み物を差し出す。別に一人でも取れるだろうが、摂理は車いすだからついついね。クピクピと、そんな擬音が聞こえそうな感じの可愛い姿で摂理は飲み物を飲んでる。てか、こいつは何をしても絵になる奴だ。教室で授業中にこいつを見てる男子がなんと多い事か。


 授業中大体物憂げな感じをこいつはかもしだしてる。それが男子にはとても魅力的に見えるんだ。そのフワフワの髪を指で遊んでるだけで、近くの男子の呆ける始末。そんな摂理のパジャマ姿でクピクピしてるんだ。普通なら落ちるねこれ。


 まあ僕は摂理に接しなれてるから大丈夫。時々ハッとするくらい美少女に見えるが、僕は落ちてはないから。



 黙々と僕は食事を進める。摂理の奴は飲み物を飲みに来ただけだろうに、何故か部屋に帰ろうとしない。別段テレビとかもつけてないから、静かな時間が流れる。チラチラとこっちを摂理が見てくるのが気になる。なんか話した方がいいのかな? 

 どうやら話しかけてほしそうな気がするし……


「こんな時間まで何やってたんだ?」


 まあ、大体想像はつく。摂理の趣味はゲームだ。それはLROだけじゃない。昔のレトロゲームとかもよくやってるし、フルダイブ型じゃない、テレビゲームもやってる。どうせ、この時間までゲームをやってたのは間違いないだろう。


 最近は天道さんに怒られたりしてるが、こいつは懲りた様子がないな。最初の試験とかは色々と考慮されただろうが、次は普通に赤点取りそうだよな。摂理は頭そんなよくないし……ずっとLROに囚われてたからそもそもの学力が高校に届いてないってのもある。


 一応日鞠とかが教えてた筈だからかなり良くなってるはずだけど……さいきんはその日鞠があれだからな。


「勉強……じゃないよな?」

「うん! LROやってたよ」


 自信満々でいう事か? まあ、僕も人の事を言えるほどの成績ではないんだが……けど流石に赤点とかは取ってない。


「LROで何やってたんだ?」


 摂理もチームも組んでるが、こいつとメカブとオウラさんは別段エリアバトルにはこだわってない。寧ろ今はスカルロードドラゴンで色々と大変な孤児院にかかりきりの筈。色々とあの街の新しい領主が取り計らってくれてるが、人手が足りないのは実情だからな。そもそもNPCとはどうやって増えるんだろうか?

 そもそも増えるのか? けど、NPCも実はLROでは死ぬんだよね。


 イベントで死ぬとかじゃないよ。その後イベント終わったら他のプレイヤーの為にしれっと復活してるとかもない。LROではNPCの命だって有限だ。だから増えないと減ってく一方になる。なら増える方法だってあるよね。やっぱり普通にNPC同士で結婚してそして子供作ってる? でもそれなら増えるのに時間が掛かりすぎる様な? 数年単位になる。


「面白い事だよ」

「なんだそれ?」

「スオウは自分だけが面白い事をしてると思わない事だね」


 なんかどや顔になってる摂理。随分とそれはそれは面白い事をしてるらしい。


「それってメカブとかもかかわってるのか?」


 あいつがかかわってると碌な事になりそうにないからな。そこは確認が必要だ。まあオウラさんがいればあの人がなんとかしてくれるとは思うけどね。


「うーん。メカブちゃんたちは関係ないかな」

「じゃあ一人なのか?」

「一人――ってわけでもないけど……」


 なんか端切れ悪いな。言いにくい事なのか? そう思ってるとなんかニヤリと摂理がする。


「気になる? 私が誰と一緒にいるのか? 気になっちゃうよね?」


 なんか楽しそうだな。こいつの性格上、ここは乗っといた方がいいだろう。


「まあちょっとは。LROにだってヤバイ奴らはいるしな。僕は摂理はリアルのままだし」

「大丈夫だよ。その人はとっても頼りがいあるから」


 う……なんかちょっとムッときたかもしれない。いやいや、けどここは喜ぶところだ。だってあの摂理がそこまで言える知り合いが出来たんだ。リアルでだって鈴鹿しか友達いない奴が……取り巻きは友達じゃないから僕的には無しだからノーカンだ。


「ふーん、まあでも、挨拶くらい僕もしとくべきかな?」

「えー、何それお父さんみたいだよ」


 ショック! お父さんとかそんな気なかったのに……ただちょっと心配だっただけなのに!? しょうがないとりあえずそれとなくオウラさんにでも聞こう。しらなければあの人に調べてもらおう。それがいい。僕はそう決意した。

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