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「ふう」
僕はベッドの上でリーフィアを取る。今日は長かった。放課後直ぐに入ったはずだが、既に日付は変わり、丑三つ時にちかづいてる。腹も減ったな。そう思って僕は階下に降りる。もう皆寝てるだろう。 天道さんはかえって着てるかどうかわからないが……流石に摂理の奴は寝てるだろう。
ダイニングに降りて冷蔵庫を開けると、ラップ掛けされたおかずがあった。お婆さんが作ってくれてたやつだろう。出来る限り、一緒に食事はしてるんだけど、今は非常事態だからLROを優先させてもらってる。だからいつでも食べれる様にこうして暮れてるのだ。
ありがたい。手作りの物が食べられるってのがありがたいのだ。前は大体コンビニかカップ麺だった。まあ大体日鞠が作ってくれてたけどね。でもあいつも忙しいから毎日って訳じゃなかった。朝は大体毎日だったけど……そう考えるとやっぱり大変な事をさせてたよね。
まあ僕が頼んだ訳じゃないが。
「けど今度は僕から頼んでもいいかもな」
大変だとわかってて頼むのもどうかと思う。けど、日鞠がLROに囚われたのもあるが、それ以前から日鞠の料理を食べる機会はめっきりと減ってしまった。だからそう……あいつが戻ってきたら……たべたいなって。
「でも流石に戻って直ぐにそれはひどいか?」
そう思った。どうせならアイツが驚く様な事を用意するのもいいかもしれない。日鞠には困らせされることもいっぱいだが、助けられてるの事もたくさんある。そういうのずっと返せてないと思うしな。僕は別に料理とかできない訳じゃない。長くこの家で一人暮らしをやってる訳じゃないのだ。
ただ面倒だし、便利な奴が近くにいたからやらなくなっただけだ。ずっと向こうにいてこっちに戻ってきたらまだ本調子じゃないだろうし、久々にこっちがお世話してもいい。料理くらいなら……
僕は温めなおした夜食を食べながらそんな事を考える。
僕は食器を洗ってから、ソファーに座る。スマホを取り出してどんな料理がいいか検索する。
「なるべく簡単な奴がいいな。けど、それなりに手が込んでるように見える感じの奴を……」
快気祝いになれるようなちょっと豪華で、けどそんな手が掛からないという無茶な注文もきっとネットはかなえてくれてるだろうと期待してる。そんな料理を検索してると、機械が動く音がした。
「あ、スオウ」
現れたのは寝間着姿の摂理だ。相変わらず目に悪いくらいの美少女だ。学校の奴がこの光景を毎日僕が見てると知ったら、きっと殺されるな。間違いない。
「戻ってきたんだね。どうだったの?」
「まあ……順調だよ」
そういって差し支えない筈だ。最初は何で祝福なんだ? って思った。もっとやることあるじゃんって……けど今は祝福でコードで書ける所まできてる。日鞠の脱出に近づいてる感じはする。
「ふーん、そっか。よかった――ね」
「ああ」
なんか含みがあるな。とか思ったが、わざわざそれを指摘はしない。摂理だって日鞠には戻ってきてほしい筈だ。