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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ふうん」


 何やら物足らなそうなセラの奴が僕をにらみつけてくる。何? 一体何があいつの逆鱗に触れたんだ? 女の子のっていうか、あいつの思考回路は本当に謎だ。今やローレよりもセラの方が謎かもしれない。一応僕はローレのチームの一員だからあいつとは色々とやり取りしてるんだよね。まあ基本こき使われてるんだが……


 けどセラはアギトとアイリのチームの奴だからな。時々こうやって協力し合うけど、基本直接かかわりあう事が僕は殆どない。まあちょっと苦手意識があるからってのもある。頼りにはしてるし、こいつの聖典はいいなーって思うんだけどね。でもほら……セラってそんな気軽に話せる雰囲気じゃないじゃん。


 僕に厳しいしね。


「なんだよ?」

「別に……」

「スオウ、凄い! セラちゃん!」


 今回は実質、何かをしたわけじゃない会長がそういって拍手をくれる。セラはそんな会長に軽く頭を下げてる。姫たちは儀式を完成させてた。僕が倒したミミズのデカい化け物が光と化して姫たちが囲んでる中心に集まっていく。空の渦も晴れていき、そして中心に小さな宝石が残った。


 姫たちの手に収まる程度の小さな宝石だから、僕たちから見たら豆粒みたいな物だ。アレが盗られた秘宝かな。でもこれで本当に解決だろう。元の状態に戻ったわけだしね。


「それにしてもスオウは強くなったね。やっぱり祝福のシンクロ率が私とは違うみたい」

「そうは言っても僕は風と雷が多少上手く使えるくらいだけどな。お前ももっと直接使えば変わるとおもうけど?」

「私は無理だよ」

「そんな訳ないだろ」


 僕はこいつの優秀さを誰よりも知ってる。だからわかる。こいつが本気出して祝福使いだせば、僕なんて軽く抜いていくって。けど会長は首を横に振るよ。


「無理だよ。私にはね、無理なの」


 それは確信を持った言い方だ。こいつはそれを絶対に出来ないと確信してる。僕にはわかる。付き合い長いから。


「どういう事?」


 セラが疑問を挟んでそう呟く。無理もない。確かに理由はしりたい。


「それってリアルに戻れないから?」

「うーんそうじゃないかな。私はちょっと存在が特殊だからね」


 確かにこいつの存在は特殊だ。でも僕のこの感想はリアルでの物。まあここでも特殊だが、一応は存在としては一プレイヤーではないのか? 


「特殊?」

「そうですね。でもこれはあはは」


 笑ってごまかしてる会長。こいつ、何か運営側と繋がってるよな。そもそもあのペンをどうやって手に入れたかなぞだし……


「とりあえず、これでノームへの祭壇に行けるな。祝福を集めてるのはお前の為になるんだよな?」

「うん?」


 会長は明確にはそれを言ってないが、一週間の時間制限の中でやる事が意味のない事なんて事はこいつの場合はありえない。夏の姫が僕たちに向かって秘宝を掲げると、光が僕と会長に降り注ぐ。そしてコードが入ってきた。


 これですべてがそろった。次はいよいよノームと対面だ。

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