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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕たちは盗んだ物を使うべき場所とやらへ向かって走ってる。盗人どもの狙いは別段その王家の秘宝みたいなのを売ったりする訳じゃなく、自分たちの思想の実現をする為に使うからこそ、あの盗人共は遅い――といった。だからその時点で奴らの仲間がどこへ向かったのかは夏の場の人達にはわかったみたいだ。


 盗まれた物を使う場は一つしかないらしい。だからそこに部隊を編成して急遽向かってる訳だ。その途中でそれは起きた。夏の空に昇る黒い柱。


「封印が解かれたみたい」


 そういう会長は唯一、ここの奴らと話せるある程度の事をわかってる。どんなヤバイ奴が封印されてるのかも道中で聞いてたみたいだし……けど、まあそういうのは会長に任せておけばいい。僕とセラは倒す事に集中だ。立ち昇る黒い柱が空にどんどんと広がっていく。差し込んでた日差しが遮られて不気味な紫色の雷がゴロゴロと空に走り出す。


「なんか夏だけで終わる問題じゃなさそうだな」

「こんな狭い世界だしね」


 僕の呟きにセラが返してきた。なんかセラが喋る度にビクッとするんだけど……なんか怯えてる。セラは別に普通の事をいったんだけどね。に、苦手意識が……だから僕はそこから話を続けるとかできない。


 まあ既に事態は進んでるし、悠長に話してる場合でもないだろう。だから不自然ではない筈だ。僕たちは止まらず進み、祠へとたどり着いた。向日葵畑の中に、突如と現れた鳥居と祠。ここの人達は小さいから鳥居と祠も小さい。僕の腰くらいまでの鳥居と祠だ。


 何やら儀式をしてたとわかる様に哀れな奴らの服だけがその場に残ってる。


「これは……」

「こうなるってわかってたのかしらね?」


 確かに……これだけの覚悟を持ってこの盗人達はこれをやったのか……いったいどこからその決意ってくるんだろう。僕的には不思議でならない。服だけが残った中心には多分夏の秘宝だろうと思われる物がある。それはいかにも忌々しい感じで輝きを放ち、空に向かって柱を立ち昇らせてる。


「会長、何か止める方法ないのか?」

「それはわかんないみたい」


 どうやら夏の部隊の人達も、姫たちも止め方はわからないらしい。こうなる事を想定してないのかも……じゃあ普段はどうやってるのか?


「普段はそうそう持ち出すものじゃないみたいだよ」

「でも使う事はあるんだろ? その時と同じことをやってみるとか」

「それもそうだね」


 会長は姫たちに話してる。僕たちは渦を巻きだした空をみる。なーんかあの渦から出てきそうだよね。そう思ってると、先端に口しかないようなキモイ感じの化け物が出てきた。それも四つも。それらは空でギャギャギャと変な音を出してる。


「デカいな……」


 ここで出てくる敵はスケール感間違ってる感じの奴らが多い。まあプレイヤーに対処させるためなんだろうけど、絶対にこの現地の人達では勝てそうにないスケール感してる。


「姫様達は儀式に取り掛かるから、私たちとアレを足止めしよう」


 会長のその言葉に僕たちに異論はない。武器を抜き、臨戦態勢をとる。

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