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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 セラの奴がとても不機嫌だが、とりあえず目的は達した。達したっけ? 多分大丈夫だと思う。大元は断った筈だ。


「もうこの氷いらないでしょ」

「そうですね」


 セラの言葉に会長がコードを書いて氷を解除する。氷は一瞬で溶けてなくなった。何しても溶けないのにコード一つで消えるのは魔法っぽい。まあ僕の場合はあんなコード書かないが……思えば勝手に消えてくれる。けどそれはシステムの補助が働いてるって事だよね。

 

 でも会長はそこら辺、LROというシステムの補助なしでやってる。待てよ……


「なあ、会長。お前どこまで外れてるんだ?」

「ん?」


 僕って考えてみたら会長が普通のスキルを使ってるの見た事ない。何かしらやるときもいつもペンでやってる。そして更によく思い出すとこいつアイテム出す時とかもペンで出してる気がする。普通はウインドウを出してインベントリか、それは特定の指の動きのジェスチャーとかを登録して短縮させるかだ。


 でもこいつはなんでもかんでもペンでコード使ってる。まるで全然全くシステムに依存してないみたいな……それでちょっと思った。もしかして会長がログアウト出来ないのってシステムから外れすぎたからじゃないのか? システムの外の存在になってるからシステムでログアウトを選択できない。


 僕や、セツリは深く入り過ぎて境界があいまいになってる感じで、ログアウトを見失ったというか、遠くなったというか、そんな感じでシステムから外れた訳じゃなかった。寧ろもっと深くにいたから見たいな感じだ。けど会長は違う。


 会長は深いじゃなく、外って感じじゃないか? 何となく、こいつがずっとペンを使ってる所を見てそう思った。ペンばっかり使ってるんじゃない。ペンでしかこの世界と会長は繋がれないんじゃ……


「こんな事してていいのかってちょっと思ってたが、お前はコードを探してるのか」


 コードがあれば会長は何だって出来る。それかもっとこのLROという世界を形作る仕組みの知識を得ればそれこそ会長は自分でログアウトのコードを書けるだろう。祝福を集めてるのは多分……


「スオウはやっぱり気づいてくれるね。だから大好きだよ」


 なんの照れもなく会長は自然にそういった。僕たちは別段確信を確認しあった訳じゃない。けど、通じ合ってるとおもう。なんたって僕と日鞠の関係だし。


「そんな事は知ってる。そういう事なら、早くノームの所に辿りつくぞ」

「うん」


 春の問題も解決した。なら後は夏だ。これでノームの祭壇へと行ける様になるはずだ。


「てっ、あれ? コードは?」


 僕はコードを得てない事に気づいた。

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