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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 向かってくる蔦をバッタバッタと切り捨てる。蔦は簡単に切れる。まあ蔦だしね。けど数が多い。でも僕は手数が多い。対応できる。僕は風を使ってスピードを上げ、雷を使って攻撃力を底上げしてるのもあるかも。それに無数のツタも僕の目には見えてる。余すことなく……だ。


 周囲を覆う程のツタ。実を視界外もなんとなくわかる。地面を突き破ってくる蔦さえ僕は察知して避けて斬る。僕はついでにどれだけやれるかを見る為に色々と試してみるよ。


(植物は焼くのが定番……だよな)


 僕は炎の祝福を出す。でもアイテムがないから、炎で掴む炎がない。風を使ってとりあえず雷を収めて炎にするとしても、それだけじゃ今の力では炎を維持できない。すぐに消える。


 まあ炎のバフがついてなくても普通に切れるが……


(風と炎は相性がいいのが定番なんだけどな)


 風と炎の力のバランスが取れてないからね。風は一番得意だから自然と強くなる。てか妖精もいるからね。それに対して炎はさっき取ったばかりの付け焼刃。これではおしてしかるべし……か。


(でも風は小さな炎を大きく出来たりも……)


 風はかなり細かく調整できる。かといってスピードを維持するための風とかを解くわけにはいかない。普通に出すとその移動するだけで耐えられずに炎は消えさる。


(そうだ、シヴァの氷)


 僕は思い出す。解けない氷が作れるのなら、風で消えない炎だって出せる筈では? そのコードは僕の中にある。


「うめぬぬ!」


 僕は消えない炎を作ろうと試みる。けど……どうやらそれは簡単に出せる物じゃない様だ。少なくとも戦闘中に簡単にポンっと出せる程になれてない。あの陣を満たして得たコードをポンと操れるのは普段からコードを使ってる会長くらいだ。


「スオウ!」


 会長の声。僕は直ぐに気づいた。僕の進む少し先に炎がある。そこまで大きな炎ではない。火の玉程度の炎だ。僕の起こしてる風のせいで消えてしまってもおかしくない小さな炎。けど消えてない。あれはきっと消えない炎だ。あいつ……僕のやってる事を見てて察したらしい。


 まあ自分て出来ないと意味ないが、こうやって協力し合うのもパーティー戦の醍醐味だろう。出来るかどうかを実験したいんだし、別にいいだろう。僕はフラングランをその炎に突き刺す。そして自分の炎を出してその炎と絡ませた。


(行ける!)


 直ぐにそう感じた。消えない炎が混ざった事でその特性が僕の炎にもちゃんと伝わってる。風の中でも消えたりしない。


「これなら!」


 僕は更に風を乗せる。これはもう弱い炎じゃない。だからきっと耐えられる。風に乗って炎がさらに大きく強く燃え上がる。あつっ……と思った。不味い……これなんか自分も熱い。ゲーム的に自分が出した炎とかの効果は無効では? 色々と複雑なことしてるから、適用外になったのかもしれない。


 これは長くは自分がもたない。握ってるフラングランがどんどん熱くなってる。僕はひと際高く飛んだ。そんな僕を追いすがる蔦共。


「うおおおおおらあ!!」


 僕は二本のフラングランを大きく振りかぶって投げた。二本のフラングランはツタを突き破り、花の中心を突き破って中まで侵入する。そして更に大きな炎の柱を上げた。耐え切れなくなった炎が暴走しだしたようなその炎。僕は純粋に「凄い」と呟いた。

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