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エピローグ

 ある日、さきかのもとに一通の手紙が届いた。

 その封筒の中には1枚のポストカードが入っている。


「ねぇ、これをみて」

 

 さきかが子供に声をかけた。子供は、興味津々にやってきた。

 

 リスさんとクマさんが、とても楽しそうに笑顔で、過ごしている絵が描かれていた。二匹の動物のボールは、とても丸くて光が輝いている。

 そして、ある一文が絵本と同じように日本語と英語で書かれていた。

 

『わたしたちは、とてもしあわせ! 』

 

 このメッセージを見て、さきかと子供は負けないぐらいの笑顔になった。

 

「ママ。これ、かわいいね」 

 

 子供が、さきかにニコニコと笑顔を向けた。

 

「そうだね! 」 

 

「えほんの、リスさんとクマさんがいっしょなの。いいね! 」 

 

「うん! 」

 

 さきかは、このポストカードのことをこう伝えている。

 

「ママが、送ったお手紙のお返事なんだよ」 

 

 シェリーのことは、好きな絵本の作家とファンであり、たくさんの辛いことに立ち向かった戦友だと思っている。

 

 でも、このことはさきかの子供には直接関係でないから。そこの線引に気をつけて、今よりも大きくなったら必ず話そうと決めている。

 

 


「ママ! 」  

 

「どうしたの? 」 

 

「ふたりで、しあわせだね! 」 

 

「うん。ふたりで、しあわせだね! 」

 

 さきかと子どもは、とても幸せだと笑った。


 日本から遠いアメリカでは、さきかと子どもが笑顔になれたことを心の底から願って想って、笑顔になる人がいた。


 アメリアや家族に支えられながらも、過去がやっと自分の隣にいなくなったのだと喜ぶシェリーがいたのだ。 


 辛くて苦しい過去を持つ者が、最後に笑う未来が良い。

読んでいただき、ありがとうございます。

この話を書く時に、名前を忘れてしまいましたがある漫画の影響があったり、僕が当時友人関係の人に酷く裏切られたりがきっかけで生まれた作品です。

被害者の言動で、確かに加害者が生まれることがあります。

でも、だからといって被害者を生み出して傷をつけてはいけません。負の連鎖を続けても、誰も本当の意味で笑顔になりません。

今回のシェリーは、何も悪くありません。修の事故や彼の両親の圧力で、来光夏が加害者になりました。

そして、来光夏は修を加害者に巻き込んで、シェリーを被害者にしました。

被害者であったシェリーは、周りに支えられながら生きます。さきかと子どもを守るために、自分の過去に苦しめながらも必死に立ち向かって手紙を書きました。

本文にもありますが、『辛くて苦しい過去を持つ者が、最後に笑う未来が良い』は、作品のタイトルへの解答でもありました。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

最後に誰が笑顔になるだろうか。

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