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57. ギリアン ジョーンズ

「ほお、本当に直せたのか」 ギリアン ジョーンズはネオ東京1号店の店長、サイジョウからの報告を受け、軽く驚きを見せた。


「はい。プログラムのグリッチへの原因解明は必要ですが、天宮様がプログラムに介入して、終了させてからは問題が発見されておらず、その後数回実験を行いましたが、全く問題ありません。どうやってか、直した、と思われます。ただ、問題はそこよりも」 そこでサイジョウは言い淀んだ。


「なんだ。他になにか問題があるのか?補償でごねられたか?」 不機嫌そうにジョーンズが訊いた。この新型のゲーム機にはかなりの予算をつぎ込んだ。評判も上々だと思われたのに思わぬことで、しかもグリーンフーズのプリンスやら、今話題の天宮望やらが関わっていてはニュースになるかもしれない。騒ぎにしないことを条件に、多少の補償は先方の希望通りにするように伝えてある。


「いえ、問題というわけではございません。学生達は、他の店舗も含めた当店の1年間の無料利用カードを貰って大喜びで帰っていきました。ただ、どうやらプログラムが書き換えられたようで」 焦ったようにサイジョウが言い始めた。


「なんだって?誰がそんなことを...勿論天宮君しかいないか。彼がプログラムに侵入したと言っていたな。それだけで書き換えができるのか?一体何をしたんだ?」補償が自店のカードだけで済んだと聞いて少し安心していると、妙なことを言われる。


「設定などは変わっていないのですが、なんと申しましょうか、レベルが...それにつきましてはご覧いただいた方が早いかと思います」 


「よし、見てみよう」 目の前のホロスクリーンからサイジョウの顔が消えて、”空の城”の世界が流れ始めた。 青い空に浮かぶ小さな島にそびえたつ城、眼下に広がる森、ところどころに見える恐竜の姿...これらはすべてプログラムされたとおりである。しかし...


「なんだこれは?」 ジョーンズは驚いてあんぐりと口を開けた。それは、これまでみたことのないような世界だった。 プログラム通りだが、全く別物、別世界だった。


「技術者にも見せましたが、レベル違いのプログラミングだろうとしか。プログラム自体に悪影響はなくて、これまで通り行使できますが、これを経験した後では他のプログラムが、何と言いますか」


「まあ、そうだろうな。よし、このプログラムはそこの機械ごと研究室へ送れ」再現できればいろいろと面白いことができる。


「天宮望、か。Happy Death Coの会長の孫で、ウォルター財閥の後継者と聞いているが、もう少し詳しく調べてみるか。短時間でこのレベルのプログラムの書き換えなど、人間に可能とは思えん」

 サイジョウとのリンクを切った後、ジョーンズはぶつぶつ言うと調査部門の天宮望の徹底調査を依頼した。

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