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45.アフリカで家を探す

翌朝、ゆっくり休んで美味しい朝ごはんを食べたおかげで元気を取り戻した望達は、プリンスのジェットでアフリカに向かっていた。とりあえず、グリーンフーズのある南アフリカ区に行く予定だ。護衛が別室にいるが、4人はゆったりしたキャビンで寛いでいた。


「自然保護地のあたりなら、やっぱりKAZAかな」KAZAはアフリカ最大の自然保護地だ。野生のライオンやゾウがいるのはもはや世界でここだけだ。 


「リーは野生のライオンやゾウを見たいだけじゃないの?」ミチルが疑わしげに言った。


「でも、保護地区は購入できないから。念のために彼らの根付く土地は僕たちの誰かが所有しているところにしたいと思う」と望。


「私もその方が安心です。幸い、グリーンフーズはアフリカ大陸の全域に工場や研究所、町などを所有しています。その中で住みよさそうなところを幾つかリストアップしておきました」 


プリンスのくれたリストを見ながら、望は訪れたことのある地域を頭に描いて植木鉢の子達に送っていた。


「この子達に見せる光景というのを、一度私達にも見せてもらうことはできますか?」プリンスが興味深げに訊いた。」


「勿論。ドリームプログラムの作成と同じ事をしているだけで、この子達にはそれをみせているんだ。プログラムの時はそれをホロイメージにして記録するわけだから、ハチがいれば現実のイメージとして再生するのは簡単だよ」


「是非、見せて下さい。いつもと同じスピードで構いません」プリンスが座席から身を乗り出して言った。


「おい、あの猫耳はつけなくていいのか?」と期待するようにリーが言った。


「あれは全然必要なかったんだよ。マックが子供のおもちゃ用に開発してたからあんな形にしただけだったんだって」 さすがの望も毎回あれでは使いたくない。


「なんだ、そうか。俺は可愛くていいと思ったんだけどな」 何故かプリンスが頷いている。


「変な事、言わないでよ」ぶつぶつ言いながらもピアスとハチを使って頭の中のイメージをホロイメージにしていく。


すごい速さで様々な景色が望の前の空間に現れ、どんどん移り変わっていく。まるで5倍速のホロイメージ再生機のようだ。見たことのあるような光景の中に、時折異質な風景が混じることに気が付いて、リーが身を乗り出し、プリンスに止められている。


「おい、もう少しゆっくりにならないのか?」感心したような、呆れたような顔でリーが言った。


「ああ、ごめん。ついいつもの調子で」そう言いながら意識してゆっくりとイメージを流す。


「そこで、ストップ!」 リーが叫んだ。 思わずイメージをフリーズさせてしまった。


「これはどこの景色なんだ?」 リーの言葉に瞑っていた目をあけ、目の前のイメージを見た。


それは大きな木の下で寛いでいる翼のある大きなトカゲだった。


「あ、翼竜のゴンだ!」望が懐かしそうに言った。無意識のうちにゴンのイメージを混ぜていたらしい。


「翼竜?どこで見たんだ?」


「あれ、言わなかったっけ? マックのラストドリームに同調した時に翼竜に乗ったって」言ってなかったかな、と首を傾げる望。


「聞いてないぜ。じゃこれは夢で見たのか?夢でもいいから俺も乗れないか?」ちょっと残念そうなリー。


「ゴンって、せっかくの翼竜につける名前なの?望の名付けのセンスはもう絶望的ね」何故か呆れているミチル。ゴンってかっこいい名前だと思うけど。



「間も無く到着致します」 騒いでいるうちにジェットのAIからアナウンスが入った。 




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