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30. 新居

 お祖父様の許可も無事に得られて、今日はプリンスの家に引っ越しだ。

といっても、大きな荷物はもともとないし、細々したものや、たくさんの植木鉢は、すべてハチが手配してくれた引っ越しロボットが持っていってくれたので、望はカリの植木鉢だけを持って、ミチルと共に迎えの車に乗るだけた。


「短い間だったけれど、どうも有難う」 望は空になった白い空間見て、最後のお別れを言った。


「望様、どなたにお礼をおっしゃっているのですか?」 人工知能にしては好奇心が旺盛なハチが訊いた。


「誰ってことはないけど、この部屋にね」


「部屋に? 部屋には意識がございませんが」


「そうだけど…いいじゃないか。もう行くよ」ちょっと感傷に浸っていたのに、と内心で文句を言いながら部屋を後にした。



「ここを望の部屋にしたいのですが、どうですか?」 プリンスが案内してくれたのは、温室があるバルコニーに面した部屋の一つだった。 プリンスの部屋が隣で、やはりパルコニーに出ることができる。


「うん、温室に近いし、素晴らしい眺めだね。こんな良いお部屋を使わせてくれて、有難う」 バルコニーからは美しい街並みと、輝く海が見えた。


ミチルの部屋は望の部屋の向かい側で、バルコニーは小さいが、部屋は2室続きで望の部屋より広かった。


「女性は荷物が多いので広い部屋のほうが良いとアドバイスされたので、この部屋を選びましたが、もし何か不都合がありましたら遠慮なく言って下さいね、ミチル」 


「ミチルはそんなに荷物なんてないと思うよ。ドウジョウギくらいじゃない?」望が正直に言うと、ミチルに睨まれた。


「とても素敵なお部屋ですわ。有難うございます」 プリンスにニッコリ笑ってお礼を言っているが、望を睨む瞳が怖い。


「じゃあカリ、今日から僕が学校に行っている間は温室で他の子達と一緒にいてくれる?仲良くしてね」


『仲良くする』 カリもちょっと嬉しそうだ。新しい部屋は広いし、太陽の光が入って気持ちが良いらしい。



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