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10.攻撃は最大の防御?

ユージーンに頼んで全員の制服や普段着をこれで作成してもらうことにした。ミチルとリーは道場着も頼んでいた。あれで練習できるのだろうか。


「ユージーンさん、安全は大事だと思うけど、何かこう、武器、はないですか?ほら、攻撃は最大の防御というし」リーが先ほど使ったレーザーガンを見ながら聞いた。


「何言っているの。連邦では武器は、軍人やポリス、ガードと言った職業の人達でなければ許可が下りないって知ってるでしょ。一般人が武器なんか持っていたらポリスに捕まるわ」


「それは知ってるけど、A&Aじゃ、誰でも武器を持っているって聞いてるぞ。こっちにいる間だけでも護身用に持ったらいいんじゃないか」リーが粘る。


「そんなこと言って、リーはただ遊んでみたいだけでしょ。連邦に住んでいる私達の役に立たないものは、今必要ないわ」ミチルはにべもない。リーが残念そうだ。


「もしよろしければ、20階に射撃訓練室がありますので、よって見られたらどうですか?マスターウォルターのコレクションで、20世紀の武器から、最新式のものまで揃ってますよ」


「使ってみてもいいんですか?」リーが嬉しそうだ。リーがこんなに武器マニアだとは知らなかった、とちょっと引いてしまった望だが、プリンスも興味を引かれたようだ。


「20世紀の武器ですか?それは興味深いですね」


「是非、ご覧になるといいですよ。私なんかも参考になることが結構あるんですよ」とユージーン。


「それは結構ですけど、今は何か連邦での警備に役立つ物を探していることを、忘れないでね」ミチルが呆れたように、それでも、幾分柔らかく窘めた。多分プリンスが興味を示したからに違いない、と望は思った。


「それでしたら、これはどうですか?」

そう言ってユージーンが取り上げたのは、10センチ程の円柱状の棒だった。見た目は授業などで使われるレーザーポインターだ。


「ポインター?」望が首を傾げた。


「はい、通常のレーザーポインターとしてお使いになれますが、武器にもなります」ユージーンがそう言って軽く握りなおすと、棒の先端から80センチ程の白い刃が出た。


「刃の幅と長さは自由に変えられます。相手の体の一部に触れるだけで、最大出力ですと昏倒させることができます。出力を弱くすれば、一時的に麻痺させる程度になります。もし刃ではなく、ビームであれば、200メートル程度の距離でしたら同様の威力を出せます」ユージーンは、白い刃を30センチ位から、ほとんど見えないほどのビームに変化させながら言った。


「これは、役に立ちそうね。お借りしても?」ミチルがそういうと、ユージーンはミチルにポインターを手渡し、使い方を説明した。


(ミチルにこれは必要ないんじゃない?)と密かに目を合わせる望とリー。いつも素手のミチルに昏倒、麻痺させられている2人だ。ミチルは歩く武器なのである。


そのあともいろいろと興味深い”おもちゃ”を見せてもらったが、結局、武器としては、連邦で使える、という点においてこの”ポインター”を全員分用意してもらうことにした。

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