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ゾンビアウト  作者: 黒咲
第1章 伊達文太郎18歳の冬
18/24

17話

 

 文太郎は病院の裏側にある林から突然現れた10匹ほどのゾンビと戦っていた。


 現れたゾンビ達は病院に降りたヘリコプターの音に反応して寄ってきたようだった。

 

 ゾンビの動きはとても早かったが文太郎は冷静かつ確実にゾンビの眉間をアサルトライフルで撃ち抜いていく。


 今の文太郎にゾンビに対する恐怖心はない。


 当初、怯えながらゾンビと戦っていたが文太郎だが、先ほどの女ゾンビとの戦いをキッカケに彼は戦士として覚醒しつつあった。

 あっという間に全てのゾンビを仕留めると文太郎はあたりを見回した。もうこれ以上ゾンビはいない、文太郎が使っているアサルトライフルには消音器をつけているため音に反応してこれ以上ゾンビが集まってくる事はないだろう。文太郎は病院の表側へ歩き出した。


(裏口から入るとさっきの武装した連中に見つかってしまうかもしれない、でもどうにかして病院の中に戻らないと、とりあえず正面の入り口に行ってみるか)


 文太郎は姿勢を低くしながら病院の表側に移動すると驚きのあまり声をあげそうになった。なんと病院の表側には何百というゾンビの群が集まっていたのだった。ゾンビの群れは何もせずただジッとしている、そして群れの先頭には須藤がいた。文太郎はその異様な光景にどうしてよいかわからずとりあえずゾンビに見つからないよう病院の裏側に戻ってきた。


(なんて事だ、須藤は俺達を追ってきたのか…… やばい、須藤とゾンビの集団が病院に入ってきたら全員死ぬぞ。その前に脱出しなければ…… こうなったら強引にでも裏口から病院に入るしかない)


 文太郎は裏口に向かって走り出した。そして文太郎が裏口に近くと突如、裏口の扉が開いた。文太郎は慌てて近くにある大木の後ろに身を隠す。すると裏口の扉から武装した白人の男が先ほど文太郎が倒した女ゾンビを担いで出てきた。

 

 白人の男は女ゾンビを下ろすとハンドガンを取り出し女ゾンビの眉間を撃った。女ゾンビが死んだ事を確認しハンドガンをしまうと再度、病院内に入ろうとする。だがその時、白人の男のトランシーバーから声が聞こえた。白人の男はトランシーバーを取り出し、しばらく会話をしていた。するとだんだんと白人の男は恐怖で顔が歪み始める。そして、近くにいる仲間らしき男達と話をする。どうやら裏口には見張りがいたようだ。

 白人の男から話を聞いた見張りの男達も恐怖で顔を歪めると白人の男と見張りの男達は裏口の扉を開けっ放しで急いでその場から離れた

 その様子を見ていた文太郎は裏口から病院内に入る。

 

(あいつらきっと須藤とゾンビの集団に気づいたな。それで急いでここから離れて行ったんだ。それにしてもまずい事になった、早く恭子と親父さんを探さなくては)


 病院内に入った文太郎は急いでロビーに向かおうとした時、純一が息を切らせながら走ってきた。文太郎は純一に声をかけた。


「純一さん、無事ですか!きょ、恭子はどこです?」


「伊達くん、無事だったか。大変だ、病院の前にゾンビの群が……」


「ええ、僕も見ました。早く逃げなくては。恭子はどこです?」


「恭子は君を探しにここに来たはずだが、君の方こそ見てないか?」


「いえ、見ていません、どこにいるんだろう……」


 文太郎と純一が困っていると池澤が走ってこちらに向かってきた。


「大変だ!伊達、恭子が変な連中にさらわれちまった」


「なんだって!」


「恭子をさらった連中は院長室にある扉から中に入っていった。伊達!恭子を助けてくれ!」


「院長室の中にある扉? どういう事だ」


 文太郎は池澤から事情を聞いた。


「なんて事だ、すぐあいつらを追わなくては、純一さん行きましょう!」


「ああ」


「池澤、ゾンビの群れがいるのは病院の前だけだ。裏口のゾンビは俺が片付けた。病院にいる人たちを集めて裏口から逃げるんだ」


「わかった。気をつけろよ」


 文太郎と純一は院長室に向かって走り出した。


「伊達くん、娘は無事だろうか?」


 純一は心配そうな顔で文太郎に聞いた。


「ええ、きっと大丈夫です。彼女は強い人ですから」


 文太郎は自信に満ちた顔で純一を見て答えた。純一は文太郎の答えを聞いて少し安心したようだ。二人は院長室に着き中に入ると鋼鉄の扉がある事に気が付いた。そしてその扉は開いていた。


「この中に恭子が…… 純一さん、行きましょう」


「ああ」


 二人は扉から中になると中は真っ暗だったが、すぐに自動で明かりがついた。


「伊達くん、どうやら扉の中はエレベーターになっているようだ。このボタンを押せば移動するかもしれない。押してみよう」


 純一が丸いボタンを押すと扉が閉まる。そしてエレベーターは下に下がっていった。


「どうやらこの病院の地下にいくようですね」


「ああ、そのようだ」


 しばらくするとエレベーターが止まり扉が開く。二人はエレベーターから出ると純一が驚きの声を上げた。


「なんだ、ここは……」


「どうやら何かの研究所のようですね」


 二人は病院の地下に研究所がある事に驚きを隠せなかった。


「恭子はどこだ……」


「こっちに扉があります。行きましょう」


「ああ」


 純一と文太郎は扉を開けて中に入っていった。中に入るとコンクリートの壁に囲まれた廊下に出た。そして二人はその廊下を歩いて進んでいくと突如、銃声が聞こえてきた。二人を顔を見合わせる。


「伊達くん!」


「行きましょう!」

 

 二人は銃声が聞こえてきた方へなるべく音を立てずに走っていった。

 

――――


 池澤はロビーに向かって走った。すると、大きな衝撃音が聞こえた。


(なんだ? 今の音は)


 池澤がロビーに近づいていくと人々の悲鳴が聞こえてきた。そして、ロビーに到着すると病院内でゾンビが暴れ回っていた。


「間に合わなかったか」


 ソンビが暴れ回る忌々しいその光景を見て池澤は絶望感に打ちひしがれた。だが、最後の気力を振り絞り辺りを見回し両親を探した。せめて両親だけでも連れてこの病院から脱出しよう。池澤はそう考えていた。

 そして池澤は両親を見つける。二人ともまだゾンビに襲われていないようだ、二人は恐ろしさのあまりお互い抱きしめ合い地面に座り込んでいた。


「お袋!親父!」


  池澤は急いで両親の元へ走り出した、すると目の前を一人の男が横切った。池澤はこの状況で慌てる事なくただ歩いている人間がいる事に違和感を感じた。池澤は横切った男の顔を確認する。

 すると驚くことにその男は須藤だった。池澤はなぜ須藤がここにいるのか理解できず思わず声をかけた。


「お前、須藤! 何やってんだこんな所で!」


 その声に反応した須藤はチラリと池澤を一瞥する。だが須藤は池澤を無視をして歩いていく。池澤は須藤の目が赤いことに気づいた。だが、それより須藤が自分を無視した態度に怒りを感じて須藤の肩を掴み再び声をかける


「てめー!無視してんじゃねー」


 池澤は顔を真っ赤にして須藤を睨んだ。だが須藤はそんな池澤を気にした様子もなく、煩いハエでも払うように池澤の頬を手の甲で叩いた。

 すると池澤の首はグルグルと回りだしそのままネジ切れた。そして池澤の首は目を見開いたままボトリと地面に落ちた。

 

 池澤は呆気なく絶命した。


 その残酷な光景に池澤の両親は悲鳴をあげるとその悲鳴にゾンビ達が気づいて池澤の両親を襲い出した。池澤の両親は抵抗したがその抵抗も虚しくゾンビに噛まれてしまった。


 須藤は池澤が死んだ事を確認もせず病院の院長室に向かって歩き出す。そして院長室の前に須藤は立つとドアを蹴破り中に入っていった、須藤は辺りを見回すと院長室にある鋼鉄の扉を見つける。


(伊達の気配を感じて病院に入ってきたが…… この中に入っていったな。確か恭子もこの部屋にいたはずだ。ということは恭子も一緒か…… それに武装した奴らに伊達との勝負を邪魔されないよう化け物どもを連れてきたが。めんどくせぇ事にそいつらもこの何に入っていったようだ。チッ、あいつらの相手もしないといけねーよのか。仕方ねー何匹か化け物を連れていくか)


 そして須藤はゾンビを10匹ほど連れて鋼鉄の扉の中に入って行った。

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