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水滸伝   作者: ての
1/3

始まり

中学生の暇つぶしのための水滸伝です。

一通りなんとなく理解するためのものなので、あまり詳しくもありませんが、暇つぶしにで読んでいただけると幸いです。

回も無視して自分の中の区切りで書き、完結まで少し自分なりのオリジナルの話を作れたらと思っています。

〜プロローグ〜

時は嘉祐三年、宋の国は疫病が流行し、民は苦しんでいた。

それに心を痛めた時の皇帝、仁宗は竜虎山の仙人に疫病退散の祈祷を依頼するため、洪信という名の勅使を使わせた。そこで早速洪信はそこへ向かったが、竜虎山の道士たちは洪信に自ら山に登るよう勧めた。

「皇帝の勅使たるこの私に、あの道士共はこの険しい山を登れという。ここでわしがひどい目に合えば、奴ら皆とらえて首をうってくれる!」

そう愚痴をこぼしつつ洪信は山を登っていた。

ガサッ

洪信の背中に冷や汗が流れる。

「誰だ!」

洪信がそう叫ぶと草むらより虎が躍りでる。洪信はその虎の攻撃をなんとかかわし、山頂へ向けて逃げた。なんとか虎をまき、ひといきつこうと大樹の下で身をかがめる。

「おのれ道士共!なぜこのような危険をしらせぬ!わしは、皇帝の使者だぞ!」

シュルッ

またも背中に冷や汗が流れる。

「ひええ!」

そこには大蛇がおり、今にも飛びかかってきそうである。洪信は己の思うまま逃げた。服が裂けようと皮膚が切れようと逃げた。そしてついに躓き、転んだ。


「そこで何をしているの?」

少年の声だった

幼い子供が、牛にまたがり笛を片手にこちらを見ている。

「ここは竜子山のはず、なぜ童がここに?」

「もしかしてあなたは勅使、洪信殿では?」

「なぜそれを?」

「天子様がおっしゃってたんだよ。今日、皇帝から勅使の洪信という人がくるってね」

「おお!では私をその天子のもとに連れて行ってはくれんか?」

「残念だけど天子様はもう向かわれたよ」

「なんと!?」

「おじさんも早く帰ったほうがいいと思うよ。この山には、たくさんの獣も住んでるから、襲われちゃうかもよ」

少年はそう言うと笛を吹きどこかへ去って行った。

「こうしてはおれん。すぐ戻らねば」


「おい!道士共!なぜこの山に多くの獣がいることを知らせなかった!」

「獣ですと!?」

「ああそうだ!見てみろ!そのせいで服も破れ、体も傷だらけだ!」

「それは申し訳がざいませぬ。この山の獣が人を襲うなど、聞いたこともなかったもので」

「なんだと!?貴様らここで修行をしていながら、この山のことも知らんのか!さては貴様ら、偽道士だな!」

「いえそんなことはありません!」

「ここで天子などを語り、民から金を巻き上げておったのだろう!ここの全ての建物から、それを見つけ出してやる!覚悟しろ!」

洪信はほぼ全ての殿を開け、中を隅々まで調べた。そして、山奥にある建物を見つけた。

ー伏魔殿ー

「伏魔殿だと?ふん!笑わせる!おい、開けよ!」

「お待ちください!ここはかつてこの竜虎山の道士が封印した魔星が入っているのです!」

「面白いではないか!魔星だと?ふざけるな!開けよ!」

洪信は道士が止めるのも無視し、むりやり伏魔殿を開けさせた。

「暗いな。火をもてい!」

何百年も封印され、光の入ることのなかった伏魔殿に、光が入った。

「これは、石碑か」


遇洪而開  洪に遇いて開く


「私にあって開く、これは天意だ!掘れ!」

洪信は石碑の下を掘らせた。すると轟音が轟き、

洪信が掘らせた穴から無数の火の玉が飛び出してきた。

「馬鹿な」

火の玉は天高く飛び、各地へ飛び散った。

洪信はこのことを口外せぬよう道士たちにきつくいい、足早に竜虎山を発った


〜宋国の乱れ〜

洪信が魔星を解き放ってから、八十年という月日が流れた。

「やあっ!」

「さすが、高俅の蹴鞠のうでは一流だな!」

「それをいうなら足だ。蹴鞠で腕は使わん」

笑いがおきた

「あれは、蹴鞠か?」

「そのようですな、なんとも、高俅なる男の腕は一流だとか」

「ほう、それは見てみたいものだ」

群がる群衆にむかって立派な着物を着た男が大きな声で呼びかけた。

「高俅なる男はどこだ!」

「わたしなら、ここにおります。」

「お前に会いたいという方がおられる。身だしなみを整え、ついてこい!」

高俅は、言われるままにした。すると、立派な服を着た若い人間が、待っていた。

「宋国の皇子であらせられる。ひれ伏せ!」

「よい、して高俅といったか、おぬし、わしに仕える気はないか?安心せい、わしとともに蹴鞠をしてくれればよいのだ」

高俅はこれで権力を握れば、これまで自分を馬鹿にしてきた奴らに痛い目を見せることができると思い、その場で了承した。

そしてついにこの皇子が、兄哲宗の後を継ぎ、宗国第8台皇帝、徽宗となった。それに伴い高俅も、宗国禁軍の総帥、大尉となったのである。


〜武術師範 王進〜

ただ、教える。私は禁軍武術師範として、この宋を守る。ただそれだけ考えよ。

この間、この禁軍に総帥として、高俅という男が入ってきた。正直、私はこの男が好きではない。

武術の腕もなく、ただ蹴鞠をして帝の機嫌を取り、その寵愛を盾に賄賂を集める。ただそれしか脳にない。

さらに言えば、私はあの男を知っていた。かつて、我が父が懲らしめた悪党、それがまさに高俅だったのだ。

奴もそれを覚えていたのだろう。私への敵意がむき出しだ。奴を叩き潰すことは容易だろう。だが、奴の影にはいつも帝がいる。私も、ただでは済まされんだろう。自分の命と引き換えにこの宋を救えるならいいとなんども思ったが、やはり我が母の顔が浮かぶ。あの老母より先には逝けないだろう。

いつの間にか、家にいた。ずっと考え込んでいたようだ。もう日も暮れている。

「進」

「母上」

「どうしたのです?浮かない顔をして」

「いえ、なんでも」

「ふふ、母に隠し事など出来るものですか。仕事のことでしょう?」

「さすが母上ですな。しかし、よいのです」

よくは、なかった。聞いて欲しかった。だが、どこに高俅からの監視がいるかわからない。高俅は、それほど、陰険な男なのだ。

戸を叩く音がした

「王師範、おられますか?」

戸を叩いたのは高俅からの使者だった。要件は明日、高俅の誕生日会があるので参加せよ、とのことだった

。これは誕生日という名の下、多くのものから賄賂を取ろうとしているのだろう。いや、そもそも誕生日かも怪しいところだ。

とにかく、明日は仮病を使って欠席するつもりだ。


1日、考えていた。高俅は今日の件で余計私に敵意を向けただろう。やはり、この手しかなかった。

逃げよう。

そして私は老母を連れ、二人で都を脱したのだった。








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