あれ?だれか来ましたよ?
作者は扉のチャイムが鳴っても2回目が鳴るまで居留守を使います。
ガッシャーーーーン
びっくぅ!
びっくりした。
寝てた?寝てないよ?ぼーっとしてただけで。
Auxiliary guide system:能動能力:低位活動取得
寝てないって!
変化のない世界に飽きてぼーっとし・・・・・・
壁壊れてるね。
さっきの騒音は壁が壊れた音だったのか。
「A hiding door of the boss room opened finally.」
「It didn't open. It was broken.」
「I don't worry about a small thing.Oh!Is that treasure?」
「Ping-pong. That's 10 hierarchies of sacred gem.」
「It's great!I'll steal quickly!」
「Calm down.I'll check a trap more than that.」
・・・・・・
人が部屋に入ってきたよ。
僕よりかなり大きい。なんとなく外人っぽい。
いや、外人だな。小汚い感じのするレザージャケット?を着た男性と黒いフード付きのレインコートっぽい服を着た女性の二人組。
男性の背中には20ポンド位のヘッドのついた大ハンマーと刃先の折れ曲がった剣。女性の手には微妙に杖の役割を果たしそうにない木の棒。
なんか喋ってるけどわからん(キリッ)。
英語苦手なんだって!
Auxiliary guide system:受動能力:低位一般言語(聞き取り)取得
Auxiliary guide system:Listen-language translation
「しかたねぇな。部屋に入らず、ちょっと待ってろ」
「はいはい。気をつけてね。ここまできて躓くとか勘弁してよ?」
「ぬかせ!」
おお!
日本語でしゃべれるじゃないか!
超違和感あるけどな。
男が懐から何かを取り出し、床に蒔いた。
砂?っぽい?
そして砕けた壁の破片を投げていく。
感じ的に適当に投げてるのに、ほとんど等間隔で僕と彼の間に破片の道が出来た。
彼はゴーグルを被り、背中のハンマーを抜き取り、慎重に?破片の上を歩きつつ、床を叩いていく。
「むむぅ?」
「どうしたのよ?」
「いや、なに。この宝珠には罠はないっぽいんだがなぁ・・・・・・」
「なによ?微妙な言い方ね?」
「いや、でもな。なーんか気になるんだよ」
「なにがよ?」
「ん~、わかんねぇけど、オレの危険感知がうーっすらとなぁ」
「それってやばいんじゃないの?」
「わかんねぇ。けど、今のところ何もしなけりゃ、直接的な被害はない?かも?」
「結局どっちなのよ!」
「わかんねぇって言ってんだろ!!」
これこれ。喧嘩はいかんよ。
浮いているしか出来ない僕は仲裁もできないがね。
「諦めて帰る?赤字だけど」
「そうなんだよな~。さっきのボスのリビングアーマーにオレのメインの剣壊されたし」
「私も回復剤かなり使っちゃったから、ほとんどないのよね」
「あれって多分ユニーク個体だったよな?」
「わかんないけど、ダンジョン内の雑魚とは20以上レベルが違ったわね」
「だよなぁ」
だんじょん?りびんぐあーまー?かいふくざい?
もしかして、あれか?
この二人=冒険者とかトレジャーハンターとか盗賊?勇者(笑)とか?
この部屋=迷宮のお宝部屋?
僕=お宝?
あっはっはっはっは
ないない。
いくら僕が試験勉強期間にネトゲで現実逃避してても、流石にこれはないよ?ね?
異世界とか転生とか。。。
むしろあったら萌える!
僕、異世界行ったら、ネコミミちゃんとにゃんにゃんしたい。
でも、待てよ?
僕、多分死んでるのは間違いないけど、神様とか魔王様とかそんな超常の存在に会ってないぞ?
むしろ、天国とか地獄とかその狭間の世界とか通過してるのに全くイベントなしで今なの?
あ
「うだうだ考えてもなんだ。これ掴んだら即で逃げるから場所空けといてくれや」
「わかった。一応あんたとその台座シールドで囲っとく」
女性から何か白いモヤが出て、僕と台座と男性を透明な膜が包む。
ま、魔法か!?
すげぇぇぇぇ!
魔法すげぇぇぇぇ!!
あ、僕、小汚い手に掴まれそう。
「ありがてぇ。じゃカウントいくぜ。5・4・3・2・1!取っだぁぁぁぁぁぁ」
「アイン!?」
ぎゃぁぁぁぁ!
台座から台座からぁぁぁぁ!
ベトベトした白い液体が僕と小汚い手にぃぃぃ!
「スライム!?」
「ぐぅぅっ!!そっち逃げるぞ!!ちょっと離れてろ!!」
男性は僕を放り出し、部屋から逃げ出す!
僕は床に叩きつけられ、ベチャコロコロベチャコロロ。。。
ちょっとお兄さん!お宝放り投げちゃダメ!壊れるから!割れ物?注意なんだから!
ってうぇぇぇ。白いべちゃべちゃが僕にまとわりつくよぉ・・・・・・
気持ち悪いぃぃぃ。
「ちょっと大丈夫!?って手首から先が・・・・・・」
「ちょっと油断しすぎたかぁ。はは・・・」
「あんたもうちょっと慎重に生きなきゃ死ぬよ!」
「おう。わかってらって・・・・・・。こいつぁやばいな」
「えっ?・・・・・・ちょっと部屋全部がスライムだったわけ??」
「いや、あの宝珠は本物だ。で、部屋のタイルの隙間にスライムが引っ付いて増殖したんじゃねぇか?」
にゅわぁぁぁぁ!
白いベチャベチャが部屋全体から湧き出てきたぁぁぁぁぁ!
そこの二人!ぼすけて・・・・・・
「私攻撃魔法とかないわよ?」
「知ってるよ。とりあえず、俺の手首応急処置だけしてくれや?」
「はぁ。。。部位欠損回復とか結構高い薬使っちゃうよ?」
「しかたねぇだろ?回復次第逃げだ」
「はぁ、最後の虎の子の上位回復剤がぁぁぁ・・・・・・。これはかんっぜんに赤字よ!でも奇襲がスライムでよかったわ。足早くないから逃げれるし」
「おう。しかも、ありゃ多分新種か希少、いや固有個体かもな」
「触れた瞬間に防具ゴトあんたの手食べられるとかヤバすぎだもんね」
「報告したら少しは情報量もらえるんじゃねぇか?」
「そうだとイイけどね。さっ!さっさと逃げるよ!」
ちょ、待って。
現在絶賛白濁液体ねっとり風味に取り込まれてる僕は!?
ねぇ!
ちょっと待ってよ!お二人さん!
置いてかないでェェェェ!!
この辺りから年齢制限がかかりそうな予感が。。。