朝起きたら。
2章入りましたー!
気がついたら、自分の周りがぼんやりと明るくなっていた。
どうやらその光は目の前のドアの隙間から入っているようだ。
「んぅ……………」
もぞもぞ、と私の隣で何かが動いた。少し警戒して見れば、そこには無防備な寝顔。
目が冴えてきて、周りを見渡す。
「………!」
───今の体勢が…
気づいた途端に頬が熱くなる。自分でもわかるくらいに、だ。
彼は、軽く私に覆いかぶさるようになって眠っていた。
すーすーとのんきな寝息をたてて。
おかげでこの冷える玄関で寝ていて風邪をひくことがなかったということはありがたいが、それにしてもさすがに彼のこの先の人生が心配になってくる。
一度、そののんびりした──いや、のんきすぎる性格に喝を入れなくてはならないかもしれない。
とりあえずは、ここから抜け出さないと…?
「えっ……ちょ………」
立ち上がろうとしばらくじたばたしてようやく気付いたが彼の手は私の制服の裾を強く掴んでいた。
これじゃあここから動く事も出来ないではないか。
「むぅ……………ん…………?」
私が1人でうろたえていたら、彼も起きたようだ。
眩しそうに眼を細める。
「わぁ…ほたる起きたんだねぇ………大丈夫…?」
「ハァ!?えっ、ちょ、どうしてこうなってん!?」
すると彼は少しばつの悪そうな顔をして、話し始めた。
「ほたるがさ、『でれへん…』って言ったあとにさ、そのままその場で寝ちゃったんだよ。
きっと疲れちゃったんだねぇ…
でもまだ安心できないと思って僕は起きているはずだったんだけど……
ごめん。眠かった。
寒いなぁと思ってほたるで暖をとっ……」
「うちで暖をとるなーーーーーっ!」
とっさにツッコミを入れてしまいました。
いや、だって友達で暖をとるって…
私のポジション何ですか!?
私女子じゃないんですか!?
「あ、ごめん。それで、暖をとってたらつい眠くなっちゃって…
あとは覚えてないなぁ…」
ぼーっとした様子で目をこする。
「覚えてなくてどうしてあぁなる?!」
「えぇ…う…ごめんね、そんなに迷惑だったかな…」
困った様子でこちらを見つめる。
う…上目遣いっ………
私なにキツいツッコミ入れちゃったのよ…
駄目だよ、こんなんじゃ…
「う…ううん…?ええで?…」
そういったのと重なるように、お腹がなった。
うわぁ…と思って下を向いていると、彼も顔を赤くしてうつむいている。
私だけじゃないようだ。