表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーミフィケーション・ゲーマーズ  作者: 夢物語
~1日目~
8/26

8、中二から始まる情報屋

 視界に入ったのは暗い店舗が立ち並ぶ一軒屋と遜色がない、レンガ造りの店だった。パッと見た感じではガラスケース越しに見える防具が立ち並んでいるため、情報屋ではないように見える。というより防具屋にしか見えない。

 ただ一つだけ周りと違うと感じたのはその店のすぐ横。路地裏に繋がる道のところに、地下に繋がる階段が設備されていたことだ。そしてそこだけぼんやりとした灯りが点っているのが分かる。


「なるほどねぇ、地下か……」

「そこだと力が蓄えられるそうよ」


 溢れ出る魔力とか妖力とかを抑えるため……なんて設定のもとに考えられてそう。

 そんな力は闇満ちて人の心の現身となりやすい夜と地下の世界さ、なんてことも。

 くそぅ、なんて素晴らしき中二病だろう。主に俺が。


「ほら行くわよ」


 押し出されるように肩を叩かれた。少し戸惑いはあったものの、それで先に進み始める。

 階段を下りるにつれ、薬品の匂いが扉から溢れだしている。

 不快に感じる異臭を鼻ではなく口で吸うようにしつつ、扉の前に立つ。


「開けたら壁一面に正法陣とか書かれていないよな?」

「入れば分かるわよ」


 黒魔術の実験でも行っているかもしれないという喜ばしくない予想をしつつ、扉を開けて中の様子を見る。


「……ん?」


 思わずそんな声が漏れてしまった。それは予想を上回るためではなく、予想を反していた店内であったため。驚きの声であった。

 思っていた以上に清潔感が溢れている店内に驚いてしまった。

 室内は一人部屋ほどの大きさしかないのだが、天井は聖堂の中の高さで窮屈さを緩和していた。バーのようなカウンターテーブル一つだけ存在しており、入り口から見て椅子はテーブルと同じ木で出来た丸椅子二つ。つまり少数での話し合いを望んでいるという意思表示なのだろう。

 カウンターテーブルを超えた奥には高低さのある複数の棚が壁沿いに置かれている。棚の中にはこの世界には似つかないヘッドフォンが所せましと並べられている。そして更に奥へ続く扉が一つ。灯りを作り出す蝋燭の火が、それらを怪しげに照らし出していた。

 だがそれ以外にない。中二病と言えるような魔法陣やら黒魔術の本とやらが存在しない。

 至ってシンプル。薄暗い室内ということを除いては普通にバーテンダーとして運営出来そう場所であった。


「何だよ、思ったより普通の人なのかも」

「そう思えるなんて幸せ者ね」


 隣から羨望と哀れみの眼差しを受けつつ、とりあえず店内に入る。

 BGMのない静かな空間だが、逆にそれが不穏さを生み出しているようにも感じた。


「スパイ! いる!?」


 彼女は奥へ続く扉、向こうにいるかもしれない相手に向けて叫んでいた。

 日本人と言っていたのだが、スパイとは愛称なのだろうか。ポパイみたいな呼ばれ方していたが、一体どういう由来でそうなっているのか。


「スパイ! いるんでしょう!?」


 そして二回呼んだにも関わらず全く出てくる気配がない。扉の向こうから物音一つ立っていないのだ。経営者としてはやってはいけない対応。

 これはどういうことかと、俺たちは互いの顔を見合わせた。


「まさか閉店?」

「あんた、閉店して扉開ける理由あると思う? 泥棒を顧客にしたいのなら分かるけど」


 そうは言われても今いないことには変わらない。情報屋である以上、会って話を聞くことは必須条件なのだから。

 今度は俺が呼びかけることにしてみる。


「すいません! 誰かいませんかー!? すいませーん!」

「……うるさーいしー」

「うぇ!?」


 誰もいないと思っていたからこそ、唐突な登場に驚いてしまった。

気の抜けた声と共にテーブルからひょこっと顔だけを出して、彼女は俺たちに文句を言ってきたのだった。


「……ここでは静かにするー」

「えーっと……」


 エミリーの方へと確認を取る。彼女の反応は首を横に振るものだった。


「君はスパイじゃないよね?」


 思っていた以上に小柄で子供っぽく……いやそもそも人間ではない。

 耳がエルフのように尖った耳であり、目の下には青や赤のラインを隈のように描いた特徴的な顔立ち。

 天人。俺たちはこの二つの特徴を持つ人種をそう呼んでいた。

 腕で目を擦らせながら天人の彼女は俺の質問に答えてくれる。


「……違うー。主は今、奥にいるしー」


 主は多分スパイのことなのだろう。


「じゃあ君は?」

「……デミー」


 デミーと聞かれて一瞬男だったのかと思ってしまった。

 でも立ち上がるデミーを見るとそうでない。寝ぼけた髪型を適当な箇所で結んだとしか思えないツインテール。それに月と太陽のようなデザインをしたイヤリングもしている。

 化粧などは一切していないが、それを考慮しても男性と呼ぶにはあまりにも端整で、女性の丸っこい顔立ち。しかも中学生ぐらいの背丈でなで肩だ。

 とりあえず女の人であると決めて話を進めることにする。


「ここで何してるの?」

「……留守番、手伝っているしー」

「留守番って……」


 スパイとやらは奥にいるんじゃなかったのか。

 しかもその割には先ほど寝ていたような雰囲気しかない。まだ目も半開き状態だし。


「……ここが壊れたら、デミーが直すしー」

「ん、どういう意味だ?」

「……ヘッドフォンを作ったしー」


 並べられたヘッドフォンがデミーの作品だということのようだ。

 再度エミリーの方へ確認を取ってみると、「確かにヘッドフォンなんて置いてなかったわね」と認めたように頷いてきた。


「なるほどね。デミーは開発者ってわけだ」

「……主の言われた通り、作ってるだけだしー」

「それでも凄いと思うけどな」

「デミー。私たちはその主であるスパイに会いたいの。呼んでちょうだい」


 言い聞かせるようにエミリーはお願いをした。

 優しい言い方にデミーも二、三度瞬きしてから答える。


「……いやー。めんどうー」

「お願い。いくら呼んでも来ないのよ」

「……」

「こっちは重要な話なの」

「……むしー」

「…………ッ」


 こらエミリー。子供に向かって舌打ちするんじゃありません。


「エミリー……この子とはよく話してるんじゃないのか?」

「初めてよ、こんな聞き分けのない子供……。一体どこで手に入れたのやら……」

「まさか誘拐とかないよな?」


 一瞬だけ頭を過ぎるそんな妄想。

 だがデミー自身には危機感は感じていないようで、こちらの会話に対しても首を傾げるのみ。全く困っている表情なんて見せることもない。

 それどころかこちらに欠伸をして見せているのだ。かなり落ち着いている。


「……流石にないか」

「スパイは会話が通じないようなやつよ。信頼できないわ」

「いや……でも目の前にいるのは危機感ゼロだろ」

「こいつは馬鹿よ」

「おいこら馬鹿者」

「そもそも、天人はニートなの。だから自分の身に起きた危機を実感できていないわ」

「それは天人を馬鹿にしたいのか、それともニートを馬鹿にしたいのか……」


 ニートだって危険が目の前に迫っていたら逃げ回るはず。

 ただどちらがどうだとしても、スパイと言う人にはこの子について説明する義務があることに変わりはないのだ。

 変なことをしていないと思いたいが、それでも三十代のおっさんが中学生未満の他人を引き連れている理由が正当なものでないといけない。

 呆けている彼女に向けて、俺はもう一度お願いすることにした。


「デミー、早くスパイを呼んでくれ。君の身を案じてのことだ」

「……理由があるしー?」


 やはり危機感はない。とりあえず呼んでくれればそれでいいのに。


「もしかしたら、君を引き取る必要があるかもしれないからね。だから、」

「その必要は皆無!」


 高々と宣言されたと思いきや、奥の扉が大きく開け放たれた。

 驚き、扉の向こうを確認すると、煙に紛れてポーズを決め込むおっさんが一人いた。

 もう一度言おう、無精ひげを生やしたおっさんである。


「異界の地に来たりし、我らの同胞にして神の眷属! ウロボロスの輪をよくぞ回してくれた!」

「来たわね……」

「畏怖するは影の狙撃手シャディングスナイパーではないか! ……なるほど、この耳に囁いている現録音源機ヘッドフォンの言うとおりであるか!」


 路上で言えば赤っ恥間違いなしの台詞を堂々と吐きながら、彼は煙から抜け出してこちらに正体を現す。この際煙の演出とかを気にしたら負けだろう。

 着用しているは悪魔のデザインを入れたポロシャツに、黒のジーンズとまだ見た目では許容出来る範囲である。

 しかしそんな人が手で顔を覆い、もう片方の手で頭に付けたヘッドフォンを押さえる姿はもうそれにしか見えない。頭のねじが飛んだ奴としか思えなかった。

 事前情報を知っていたとしてもこれは酷い。


「全く変わってないわね、あんた」


 若干引き気味の彼女に対して、スパイは決めていたポーズを解き、赤いフレーム眼鏡を掛けなおしていた。


「何故我が生まれ変わる必要がある。既に魂の浄化は済んでいるのだぞ?」

「なら今度はメシアにでも浄化してもらいなさい」

「メシアなど不要。我に宿るは神の力、リアスティックテレパシー」

「それ補正でしょう」

「補正などという低俗なものではない。我の力は全ての嘆き、歓喜、生気を傍受することが出来る」

「あっそ。力があっても、その人が低俗じゃ意味ないわね」

「ふッ。人の評価など、もとより気にしない。何故なら神は人知の遥か先を行くものだからな!」


 彼女の皮肉に対してもスパイは動揺の一つも見せない。ひげを触り、その後はワックスをかけた髪の毛を鏡もないのに弄っていた。

 なるほど、これは彼女にとっては胃が痛くなる相手だろう。何せ抑止のために言っている皮肉が全く通用していないのだから。

 既に顔を引き攣らせている彼女。それを気にせずにスパイは更に挑発をしていく。


「それで影の狙撃手シャディングスナイパーよ」

「エミリーよ」

「では影の狙撃手シャディングスナイパー

「あぁもう……何よ」

「久々に出会ったからそう呼びかけただけだ」

「…………へぇ……こっちはもう呼ばせないようにしたいわ……!!」


 エミリーを相手に挑発とはかなりの度胸を持っている。……いや、もしかしたらただの馬鹿なのかもしれない。とにかく相手を気に掛けない会話であった。

 隣の彼女はというと額に青筋を浮かべていて、少しでも言葉のチョイスを間違えればこの場所を戦場に変えてしまいそうな表情。銃をその手に召喚して、物理的に黙らせようとしていた。

 だからこそ、俺はエミリーの肩を叩くことにする。


「今こそ胃の調子を整える正法の使い時だって……後は俺がやっとくから」


 ここ戦場にされたら困るし。


「大丈夫なの? ゲーム機だって叩いたら直るのに、あいつは直る気がしないわ」

「いやメーカーに頼んでも無理だからな、あれは」


 そして叩けば直る修理方法はゲーム機よりもテレビなような気がする。

 エミリーはスパイを睨みつけたままだったが、彼女も話さないで済むのならそれでいいと考えてくれたようで。


「……まぁそうね。あんたがどれくらい出来るかどうかを判断するには良い機会なのかも……。分かったわ、お願い」


 そんなとってつけた理由を口にして、俺とスパイが一体一で喋れるようにと一歩退いてくれた。腕を組み、自分の苛立ちを抑えようとしている。


「えーっと。まずは自己紹介から始めた方がいいな。俺は神代 悠馬、ここではユーマって呼ばれているから、そうしてくれ」

「分かったぞ、神の代行者メタトロンよ」

「……ほっほー」


 俺の言葉を一切合切無視ですか、そうですか。

 そして何より、彼がそんな言葉を思いつくことに対して凄いと感じてしまった自分が悲しいです。


「どうした、我と同じ地、黄金の国ジパングに立った同族よ?」


 出会った時に聞いたような単語が出てきましたね、はい。

 なるほど、エミリーが口にしたのはそのせいでもあったわけか。


「同族……同じ日本人ってことか?」

「然り。その八咫烏のような漆黒にダークチョコレートのようなブラウンを混ぜた髪、そしてパープルレーザー(しがいせん)を受けし褐色の肌は正しく、全てのアニメが集う場所で生まれた者であろう?」

「……は、はは」


 やばい、もう思考放棄しそうになっている自分がいる。

 そりゃあオンラインとかでにこういう人は時たま見かけたけど、疲労がそれの比ではない。画面上とリアルではここまで違うものだと思わなかった。心折設計、万歳。

 とにかく、だ。話を整理というか解析すると、日本に住んでいることはニュアンスで分かった。


「どうなのだ?」

「あー……確かに同族だろうな。だけど、それなら本名があるだろ?」


 同じ日本人ならスパイみたいな名前ではないだろう。


「我はこの世界で生まれ変わったのさ。新たな生と性を神から授かったのだ」

「面倒くさい……」

「我の耳からは逃れられんぞ?」

「いや面倒しかない素晴らしくくさった日本人だなぁと言いたかったんだ、うん!」

「本音が漏れまくってるわよ」


 嘘付くのって難しい。

 しかし画面越しなら余裕だった俺がこうも苦労しているとは。

 スパイはというと、やはりそういった言葉には突っかからない性格のようだ。眼鏡を押さえ、神は私に力をなどとキリスト教徒もドン引きの台詞を吐き続けている。

 しかし同族という割には生まれ変わったとか。日本人と言いつつ、日本人ではなくなった、とか。

 キャラ設定無茶苦茶ですな、おい。


「……主に名前はあるしー」

「え?」

「……金丸 和志って言うしー」

「ほー。自分で言ってたのか?」

「……出会った時にそう言ってたしー」


 かねまるかずし、とありふれた名前。捻ってもない普通の名前だ。

 つまりはそういうことだろう。ようやく人として同じ部分が見えたような気がする。

 しかしあれだけ隠そうとしていた本名だ。

 デミーがスパイではないこと暴露し、彼はどう反応するのだろうか。


「ふッ、創造主、デミウルゴスよ。その名前は別の時間軸に飛ばされたものさ」


 まさかの異空間へ捨てられました説。

 デミーもそんな話をされて、疑問符を浮かべてしまっている。


「……でも最初に会った時はそう言ってたしー」

「デミウルゴスよ。お前は我の何だ?」

「……従者ー」

「おいこらちょっと待て」


 この子にどんな設定を刷り込ませているんだよ。


「心配するな。デミウルゴスは優秀な創造主。ネットでいうなれば使い勝手のいい駒だ」

「駒扱いする時点で駄目だって……」


 調教されているのか。デミーは俺の反論にも否定の意を首で見せた。


「……別にいいしー。主はデミーを拾ってくれたしー」

「でも駒扱いだしー」

「……マネは良くないしー」


 ムッとした顔で怒られましたしー。

 スパイは微笑を浮かべ、デミーの頭を何度も撫でた。


「お前も我と同じ神なのだ。だから新たな名を与えたのだ、デミウルゴスよ。お前もここに来て名を受けし者である。それゆえに過去の名前は捨てられる」

「……難しー」

「世界は混沌と平穏が渦巻いている。だからこその己の光を正しき道へと照らすべきなのだ。オーケーか?」

「……オーケー」


 本当にこの子は分かった上でオーケーサインを出したのだろうか。非常に適当な返し方としか思えない。

 とりあえず話は終わってくれた。本題に早く移ろう。

 背中越しから伝わる早く終わらせろオーラを感じながら、依頼の話に持っていこうとした。


「で、金丸」

「スパイだ」

「いや、だから――――」

「お前も過去に囚われし、悲しき愚者なのか?」

「…………」


 さっきあなたも似たようなやり方をしたはずなのだが……。


「えーっと……じゃあスパイ、早速情報屋として依頼を受けて欲しいんだが……」

「ふッ、揺るがないお前の想いは既に我の力で受け止めているぞ」

「そうなのか?」

「然り。現録音源機ヘッドフォンがそう囁いているのだからな」


 棚にもたれ掛るスパイ。ヘッドフォンを指さし、内容について把握していることをジェスチャーとドヤ顔で伝えてくれた。

 とりあえずそんなことは心のゴミ処理場に廃棄しておくとして、要点だけを伝えることにする。


「話が早くて助かる。なら事件の情報が欲しいんだ」

「アニマル盗難事件の情報をか……?」


 何故、それを言いたげな目をこちらに向けてきた。


「そうだ。事件を解決するためには必要なんだよ」

「だがお前はそこに苦渋を必要としないはず。未来を見据えるルックザフューチャーに雇われ、ただ従者として働いているのではないか?」

「……なるほど、確かに情報屋としては立派だ」

「当然さ」


 変な日本語と言い回しが多いが、悔しいことに言っていることは正しい。何も与えていない情報をこう自信ありげに喋れるのだから、かなりの正確さを持っているのだろう。

 エミリーが愚痴を言いながらも頼ろうと思う気持ちがよく分かる。

 これも補正の力によるものなのか。見て、聞いたところでは相手の状況を正確に把握出来る力。しかも一人ではなく、多人数対象で把握出来ることも可能。

 しかし、何ゲーマーでそんな補正を受けられるのか。推理ゲームだとしても、相手の心を読めることに繋がるのだろうか疑問だし、恋愛ゲームだと対象が限られるなんてことも考えられる。

 ま、どれにしても長い付き合いになることは間違いない。

 そんな運命的予感を悲しみながらも感じていた。


「それで、我の質問にはどう答える?」

「俺にだってこの事件を解決したい理由があるんだよ」

「ほぅ……聞かせてもらおうか」


 チラッとエミリーの方を見て、間髪入れずに答えようとした。


「金だよ、お・か・ね! それで服買って、パン買って、そのパンであのワンコの口に入れてやるんだよ、倍にして!」

「は? 最後の何、どういうこと?」


 エミリーは内容を理解出来ずに怪訝な顔を見せてきたが、一方のスパイはやはり分かっていたようで。

 一瞬目を丸くした後に、彼は口元を押さえて吹いていた。


「なによ、何がおかしいの?」

「いやいや。こいつは退屈させない奴が来たと思ったのだ」


 こいつにそんなこと言われても一切嬉しいと感じられない。むしろ勝手に盗み見られたようで、ストーカーとして突き出した方がこの世のためとさえ考えていた。


「それで、答えとしてはどうだ?」

「納得した、まぁ理由としては満点だろう。金も事前に貰っているし、何も問題はない」

「なら――――」


 情報を教えて欲しい。そう言おうとした俺の口を彼は手を突き出して止めてきた。

 驚いて何も言えない俺にスパイは一つ注文をしてきた。


「しかしここまで面白いと、お前に授けられし神の加護は何かを知りたい。それが我への期待を超える信頼の証になる」

「……え?」

「我らを示す神の力をみせよ。さすれば導きの光は灯るだろうさ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ