酢豚パイン抹殺計画
残酷なのは、豚の死に際だけです。
これはブヒ語を日本語に翻訳した話です。
僕は豚さ。本当にただの家畜用の豚。
僕は一つ許せないことがあるんだ。
それを話すにあたって一つ知ってもらいたいことがある。
僕ら豚を使った料理は
焼き肉,角煮,丸焼きを代表とした、豚料理。
そして‐
それら「豚料理」と呼ばれる分類のものは全て僕たち豚が主役だったんだ。
これを踏まえたうえで、
「酢豚」という料理に着目してみてくれ。
すると、なんと主役は「パイナップル」だったんだ。
……許せない。
人間め、パインを主役にしやがったな。
ふざけんな!!
てめぇらこっちは命懸けてんだぞ!
って、怒っても仕方ない。
とりあえず、「酢豚パイン抹殺計画」を練る必要がある。
僕は考えた。どうやって「パイナプッル」をこの世から消そうかを。
来る日も来る日も考えて、一年になった…。
いつの間にか、出荷時期を迎えていた。
屠殺室で逃げ回っても逃げられないことを知っていた僕は遺言を考えた。
ここからは、ナレーションが。
最期に豚が残した言葉はこうだった。
「パ…ップルのが…うの、カ…ガラ…シをぜ…いに…ばら………(死)」
後にこの一匹の豚の物語は伝説となって豚たちの間で語り継がれるのだった…。
(完)
これは短編ですが、豚、酢豚を考える。伝説が書かれるかもしれません。