メイドさんが目の前にいる妄想
作者の考えがもろに入りました
「いつ見ても美味そうな料理作るなあ。ルナちゃん」
「これが仕事ですから。説明をしても?」
「おう」
「では、説明させていただきます。今日のディナーは鰆のグリル。下処理をした鰆の皮目に塩と胡椒で味付けをした後、皮目だけを焼きました。さすが学藝院、食材も新鮮な一級品で、食中毒の危険性はないでしょう。ソースはバター、白ワイン、エシャロットで作ったブールブランソースです。お召し上がりください」
「いつもありがとさん。んじゃ、いただきます」
私はなんでこんなところにいるんだ……?
えっと、確か、学校にテロリストが来て、二軍のアイツが変身して、そいつにお姫様抱っこされて、飛んでるうちに気絶しちゃって……。
で、目が覚めたらよくわからない人たちにここまで連れてこられて、目の前にはアイツと黒髪ロングのメイドさん……。
黒髪ロングのメイドさん!?
腰までありそうなサラッサラの黒髪に白いカチューシャ!王道の「メイドといえば」を完璧に再現している!腕は黒い布に袖口だけ白、高貴感溢れる白い手袋で肌を一切見せていない!スカートはもちろんロング、最高だ!世の中はミニスカメイドなんてものが流行っているが、あんなのは邪道だ!そもそもメイド服というのは「奉仕精神」を体現している存在であって、決して誘惑するための服装ではない!あんな「ご主人様と偶然会えたら色仕掛けしてお手つきしてもらって恩寵にあやかろう」なんて精神が宿った奴はメイド失格だ!そんなやつは娼館にでも行ってしまえ!このメイドさんはそんな奴らと違って真っ当なメイドだ。主人のため、身を賭して奉仕する、自己犠牲精神の結晶だ!これを見れる日が来るなんて、もう私死んでもいい!
「いつでもどこでも妄想に浸れるのは朝の良いところだな」
「……へ?」
「恍惚とした表情浮かべてないで現実に戻ってこい」
「あっすいません!どうか命は!」
「殺すぐらいなら連れてきてねえよ。ルナちゃん、状況だけ説明してやってくれ」
「はい」
それから、黒髪ロングメイドのルナさんはいろんなことを説明してくれた。
ここは革命軍の本部。
地下深くにあって、警備員もたくさんいる。
億に一つも逃げ切ることはできないそうだ。
まあ、ルナさんがいる時点で私に逃げる意思などないのだが。
革命軍とは、アイツやルナさんなどの八人が最初に興し、今や数えきれないほどの人数を抱えている勢力だそうだ。
目的は四大財閥及び日本政府の崩壊。
未来はわからないが、勝算は十分にあるそうだ。
そして、今から私はそこの若手養成期間に入れられて、鍛えられるそうだ。
まあ、私が育つ頃にはクーデターは成功していて、出番はない可能性が高いらしいが。
それでも、やろう。
頑張れば、アイツがやっていたような魔法が使えるらしい。
変身できるらしい。
なら、やらない理由はないじゃないか。




