むかつく上司を殴る妄想
「速報です!今日九時ごろ、学藝院大学附属中学校をテロリストが襲撃。皇太子の暎仁さまや三石財閥など四大財閥の御曹司、三縣総理の嫡子が殺害されました!首謀者は未だ判明しておらず、現在捜索中とのことです!」
このニュースは日本を騒然とさせた。
それもそのはず、当たり前である。
政府と各財閥は結託している。
財閥同士の対立関係もない。
三権分立は何処にやら、財閥の決定で法律は変わる。
財閥が白といえば黒も白となるような国だ。
また、三縣総理は三尾財閥と三縣財閥双方の血を引く分家の出だ。
彼が選挙に立候補した時、有権者のほとんどは賄賂で彼への投票を決定していたという。
国民主権は何処にやら、だ。
その財閥の御曹司達が全員殺されたのだ。
日本は混沌に陥った。
だが、腐った上層部の次世代達が死んだことを喜ぶ国民も少なからずいた。
主にスラム街の住民に。
彼らへの恨みだけを生きる意味にしている、哀れな愚者達に。
「申し訳ありません!テロリスト達を取り逃がしました!」
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
目の前に鎮座しているジジイは沈黙している。
十分の時を経て、やっと口を開いた。
「お前の存在意義はなんだ」
「閣下に仇なす者どもを皆殺しにすることです!」
「そうだ。なんのために十五年前に死にかけだったお前を救ってやったか忘れるな」
「は!それでは、失礼します!」
足が痺れる。
あのジジイのせいだ。
歩くのもままならない。
「大丈夫ですか、上官!」
「ああ。大丈夫だ、心配するな」
「わかりました!ですが、三石を抜けたくなったらいつでも言ってください!我ら三石軍は、全員あなた様についていきます!」
「こら。滅多なことを言うんじゃない」
ああ。
なんであんな奴に従っているんだろう。
私たちの聖域を侵してみんなを皆殺しにした挙句、私のことも撃っておきながら後で私を治療した奴らなんかに。
いつか、あのジジイを殴ってやりたい。
でも、できない。
この心臓に埋め込まれた爆弾さえなければ。
これさえなければアイツを殺してやるのに。
仕事だ。
三石財閥直下軍総司令としての役割を果たさなければ。




