7話 終
この話を、
一日の流れとして読んだなら、
それはたぶん正しい。
正午から始まり、
外に出て、
体を動かし、
また眠る。
それだけの話に見えるかもしれない。
でも、
どこかで立ち止まったなら、
読み進める手が一瞬でも止まったなら、
それは時間のせいじゃない。
この話は、
進むために書かれていない。
整えるために置かれている。
順番が前後しているのも、
説明が足りないのも、
意図的だ。
失われたものは、
取り戻されていない。
ただ、数え直されただけだ。
もし、
読み終えたあとに
少しだけ胸が重いなら、
それは物語の結末じゃない。
まだ、
途中に残っている。
最初に置かれたもの。
名前をつけられなかったもの。
箇条書きで並べられただけの、それ。
そこに戻ると、
この生活が
「選ばれたもの」なのか、
「残されたもの」なのか、
判断は変わる。
答えは用意していない。
用意しないことで、
ここまで来た。
この話は、
最後まで読まなくても成立する。
でも、
同じ場所を二度通ると、
別の話になる。
失ったものは、
もう一度数えられるのを
待っている。




